プスカシュ賞っていうのはですね、FIFA (世界サッカー連盟) が制定する賞で、この 1 年で最も素晴らしいゴールを決めた人に贈られます。1 月にバロンドール (年間最優秀選手賞) と共に発表されるのかな。プスカシュっていうのは、フェレンツ・プスカシュっていうハンガリーの偉大なストライカーの名前です。
最初に 10 ゴールがノミネートされて、その中には広島の佐藤選手のゴールも含まれていたんですが、最終候補の 3 つには残れませんでした。最終選考に残ってるのは、ワールドカップでのファンペルシ選手のウナギ犬のようなヘディングゴール、同じく W 杯でコロンピアのロドリゲス選手が決めた目の覚めるようなミドルシュート、そして最後がステファニー・ローチっていうアイルランドの女子選手のゴールなんです。
3 つのゴールはここで見れます。
ローチ選手は今はフランスでプロ選手になってるんですが、当時はアマチュアでダブリン郊外のピーモント・ユナイテッド (初めて聞いた) 所属。ゴールを決めた試合はバスエアレン・ナショナル・リーグ (初めて聞いた)の対ウェックスフォード・ユース (これは聞いたことある。イタリアかぶれのミック・ウォレス国会議員が作ったチーム。「ユース」はもちろん「ユベントス」から) 戦。
右からのクロスをゴールを背にして右足でトラップ、左足で切り返して、左足でシュート。この間、ボールが地面に一度もついていません。
たまたまスタッフがビデオを撮っていて、それを Youtube に載せた。それを有名な選手だか誰かがツイートした。このゴール凄いぞって。新聞記事かなんかで読んだけど誰かは忘れました。そこからプスカシュ賞にノミネートまではあっという間。
今日の新聞に書いてあったけど、イアン・ライト (元アーセナル) のラジオに出たら、ライトに「これまで見た中で一番凄いゴール」と言われたらしい。あと何人もの有名選手が彼女のゴールに言及している。
この記事には、彼女が小学生の頃に所属していたチームの監督の話も載っていました。
11 人制のちゃんとしたチームを編成し始めたところだったんだけど、そのチームにいた男の子二人がやってきて「ストリートサッカーで僕たちをチンチンにしてた女の子がいるんですけど」という。それがローチ選手だったわけです。英語だと、「the girl who's skinning us」。かっこいい表現です。チンチンとは大違い。
当時の写真も新聞に載ってたんだけど、集合写真で女の子が一人だけ不機嫌そうな顔して写ってんの。それがまたすごくかっこいい。それで、やっぱり 12 歳になると男女別にプレイしないといけないルールらしくて、彼女がチームを去るときはみんな悲しかったそうです。
それで、プスカシュ賞っていうのは、インターネットの投票で決まります。先ほど書いたリンク (http://www.fifa.com/ballon-dor/puskas-award/video=2463789/index.html) からすぐに投票できますので、ぜひステファニー・ローチ選手に皆さまの清き一票を投じていただければと思います。よろしくお願いいたします。
Stephanie Roche hopes goal will be judged on its technical quality
http://www.irishtimes.com/sport/soccer/stephanie-roche-hopes-goal-will-be-judged-on-its-technical-quality-1.2038669
http://www.irishtimes.com/sport/soccer/stephanie-roche-hopes-goal-will-be-judged-on-its-technical-quality-1.2038669
写真はアイリッシュタイムズから。説明しなくても大丈夫だと思うけど、ローチ選手は上の写真では右から2人目、下の写真では後列右から2人目。