たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

水道代、払いません。

f:id:tarafuku10:20210126070102j:plain

 

昨日 (土曜日) の朝、スミスフィールドでミック・ウォレスとクレア・ディリー (2 人とも無所属の国会議員) が並んで歩いてたので、こんな朝早くからどうしたのかな、と思っていたら、午後から街なかで水道料金徴収反対の大きなデモがあったのでした。

 

アイルランドは家庭用の水道代はタダだったんですけど、もうすぐ有料になるんですよね。水道局から「登録してください」という案内が私のところにも送られてきました。

 

それで、これに怒っている人がものすごくいっぱいいるのです。もともと銀行やら不動産デベロッパーが無茶苦茶なギャンブルで金を借りて、その後始末で国民が増税、福祉カットを強いられてるわけです。その上、水道代なんて、税金の二重取りじゃないか、というわけです。世帯あたり年間数百ユーロなんですが、カツカツの生活している人にとってはそれは痛い出費だと思います。

 

それで、昨日のデモなんですが、50,000 人ぐらい集まったそうです。これはデモとしては前代未聞ぐらいの人出で、私は街に行ってないんですが、行った人の話によるともう「mad」な状態だったそうです。

 

それで、昨日は下院の補欠選挙が 2 カ所であったんですが、両方とも水道料金徴収に反対する無所属議員が勝利しました。

 

ダブリン南西選挙区は、タラ地区などの低所得者が多く住む地域ですが、シンフェインのカハル・キング候補が最有力とされていたのに、蓋を開けてみたら無所属のポール・マーフィーー候補の勝利。マーフィーは、社会主義者党の党員でもあるのですが、Anti-Austerity Alliance (緊縮財政反対連盟) というグループ所属ということで立候補していました。緊縮財政反対ですから、水道代にははっきりと反対です。逆に、シンフェインの候補が落ちたのは、党が水道代徴収について鮮明な態度を打ち出さなかったから、と分析されております。

 

ロスコモン/南リートリム選挙区も、無所属のマイケル・フィッツモーリス候補がフィアナフォイル (FF) のアイバン・コノートン候補を接戦の末破って初当選。フィッツモーリスはもともとこの地域の出身じゃなくて、元同地区選出下院議員で今は EU 議会議員である無所属ルーク "Ming" フラナガンがひっぱてきた人なんだけど、それでも FF が党を上げてバックアップしたコノートンを破った。

 

政党政治家への不信、泥炭切り出し禁止措置 (CO2 削減のため EU にやるなと言われている) や水道代徴収への怒り、高い失業率などがフィッツモーリスを勝たせた原因と言われております。FF はバブル崩壊後に衰退した党勢をまだ回復できたないことが浮き彫りになりました。

 

私は、先々週ぐらいに街なかで水道代反対のデモに出くわしたんですが、そのとき 10 歳ぐらいの女の子がプラカードを掲げて歩いていて、その持ってる姿と文言がかっこよかったので、写真撮りたくてしかたなかったのですが、変なおじさんと思われるといけませんので我慢しました。「We will pay for water if God sends the invoice」(水道代は神様が請求書を送ってきたら払うよ)。水は自然の恵みということですね。

 

f:id:tarafuku10:20210126070205j:plain

 

冒頭の写真は今日のサンディ・インディペンデント紙の一面。2 枚目は同じ新聞に出ていた水道局の「登録してください」の広告。