たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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アイルランドに長く住んでいると、口に出すとき言い淀む日本語

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(1) 「アイルランド共和国」
アイルランドという国の英語の正式名称は Ireland。日本の外務省も「アイルランド」と呼んでいる。アイルランド国内では基本的には「Republic of Ireland」(訳すと「アイルランド共和国」)とは言わない (例外あり、後述)。

「Republic of Ireland」っていうのは、実はイギリス政府がアイルランドという国の呼称として使っていた言葉。特に1998年のベルファスト合意までは、英政府は「Republic of 」なしでアイルランドのことを呼ぶことはまずなかった。共和国と北アイルランドが乗ってる島は Ireland という名の島なのだが、英国は「島全体が君らの領土じゃないよ。島と君らの政治体制とは別のものだから」というのを暗に強調したかったんだと思う。

アイルランド共和国の新聞で自国のことを指す時は「the State」(Sが大文字)と書くことが多い。または「the Republic」(Rが大文字)。ただ、例外はサッカー。FIFAがなぜかアイルランドのことを「Republic of Ireland」と呼ぶと決めていて、アイルランドのテレビのサッカー中継でも実況は誇らしげに「Republic of Ireland」と言う。

外国人が「Republic of Ireland」と言っても怒られたり、直されたりはしないのでご安心を。

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(2) 「国境」(アイルランド共和国と北アイルランドの間の)
英語では「Border」なので、単に「境目」という意味。ベルファスト合意で北アイルランドが共和国の領土でないことは黙示的/暫定的に認めた感じになっているのだが(それまでアイルランドはアイルランド島全体を領土と主張していた)、アイルランドの人にとっては、「なんかあそこ、線、引かれちゃったなあ」という感じではないのか。

(3) 「地域政党」
DUP (統一アルスター党)などの北アイルランドだけを地盤とする政党や、スコットランドのスコットランド国民党などを、地域政党と呼ぶのは抵抗がある。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは地域じゃなくて国 (Country) だから。主権国家ではないけど。確かに私も昔は「え、北アイルランドが Country?!」って思ってたが、今では「地域」と呼ぶのは抵抗を感じるようになってしまった。

余談だけど、アメリカの田舎の人を馬鹿にするとき、「テキサスの人はテキサス州を国だと思ってる」などと言うけど、あれ、そんなにおかしいかな。「State」も「州」も国の意味だし (タレントの勝俣州和さんの「州」は「くに」と読む)、アメリカの州は日本の都道府県よりずっと自治の範囲が広いでしょう。イギリスのCountry と日本の都道府県の間ぐらいかな。

付録。
「Northern Ireland」っていう言い方もアイルランド共和国の人はあまり好まない。「the North」とか呼んでいる。もちろん、「北アイルランド自治政府」とか、政治体制を正式に呼ぶときには使うけど。個人的には「北アイルランド」と日本語で言う分には私は全然抵抗ない。また、外国人が「Northern Ireland」って言っても、怒られたり、直されたりはしない。

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