イニエスタの数だけファン・ボメルはいる

オランダ対スペインという新鮮な顔ぶれの決勝になりました。私はどちらかというとオランダを応援しています。ロッベンが何度も何度もガリガリと突破を図ろうとしたり、ファン・ボメルがガツンガツンと当たったりとか、そういうのが好きなのです。

しかし、スペインのサッカーは華があるので応援している人も多いですね。昨日のスペイン対ドイツ戦のテレビ解説。例によって、アイリッシュ・タイムズ紙のメアリ・ハニガン記者の記事から。

前振りとして、おとといのオランダ対ウルグアイ戦の話から。RTE 解説のジョン・ジャイルズは、「いろいろな意味でサッカーからは魅力が失われてしまった」と。これは、オランダみたいなプレイ・スタイルを批判しています。イニエスタの数だけファン・ボメルはいると。つまり、クリエイティブで想像力のあるプレイヤーの数だけ、それをつぶしにかかるプレイヤーがいると。

そして、昨日のドイツ対スペイン戦。ジョン・ジャイルズは「スペインが勝つと思う。私はスペインのプレイヤーを愛している。ドイツのプレイヤーも好きだが愛してはいない」。隣に座ってたエイモン・ダンフィー:「私もスペイン」。

BBC のアラン・ハンセン:「ドイツはまったく破壊的な効率性を持っている」。アラン・シアラー:「十分に油を差した機械のようだ」。ハンセン:「ドイツは機械のようなパフォーマンスと華麗さを統合した。それが私がスペインが勝つと予想する理由だ」。おー。

ハーフタイム。BBC のマーク・ローレンソン:「目が離せないんだけど、ワクワクはしない (absorbing, but not entertaining)」。

同じくハーフタイムの RTE。進行役のビル・オヘリヒーが「27 分にわたってファウルがなかった。これは、この W 杯の最長記録だが」とジャイルズに振ると、「それは、ファン・ボメルがプレーしてないことを証明しているに過ぎない」

後半。スペインのプジョル選手のゴール。まったく試合とは関係ないんだけど、プジョル選手は、スチュアート・ピアスの太ももとデザート・オーキッドの心臓とベット・ミドラーの髪の毛を持つ男と呼ばれたことがあるそうだ。ピアスは元イングランド代表のサイドバック。デザート・オーキッドは競走馬。ベット・ミドラーはアメリカの女優さん。すみません、ちょっと面白かったので。

試合終了後、スペインはオランダに勝つだろうか、という質問。
ダンフィー:「ファン・ボメルとデ・ヨングがシャビとイニエスタを蹴飛ばしてコブだらけにするだろう」
オヘリヒー:「そして、残念なことに、彼らは何の罰も受けないかもしれない」
ジャイルズ:「これまでもずっとそうだったからね」
オヘリヒー:「そういう状況でスペインに何が起こるだろうか」
ジャイルズ:「負けるかもね」

あとは、余談なんですけど、準々決勝のブラジル対オランダ戦で日本の西村さんが主審を務めたんですけど、RTE の解説陣にたいそう評判が悪かったんです。もっと早めにイエローカードを出すべきだったと。ファン・ボメルはとっくに赤紙で退場になっているべきだったと。主審はまったく試合をコントロールできてなかったと。もっと強い (Strong) な審判であれば、違ったゲーム展開になっていただろうと。解説者は、ロニー・ウィーランとリアム・ブレイディー。二人とも、テクニック系の MF だったからな。

で、しまいには、日本のレベルの低いリーグでやってる人なんかに審判させちゃだめだと。イングランドの主審とかにさせればよかったのにと。まあ、この人たち、J リーグの試合なんか見たことないと思うんだけど。メキシコ対アルゼンチン戦の明らかなオフサイドの誤審とか、イングランド対ドイツ戦で正当なゴールが認められなかった件とか、あれはそれぞれイタリアとウルグアイの審判だったと思うのだが、そういうときはリーグのレベルが低いとかは言わないわけだが。

私は途中からしか見てないんだけど、確かにファン・ボメルは黄紙出すべきだと思ったけど、それ以外はそれほどひどいとは思わなかった。英国のテレビでどう言ってるか知りたかったので、頑張ってハイライト番組の時間まで起きてようと思ったんだけど、ちょっとビール飲んだら眠くなって寝てしまった。次の日の新聞には特に何も書いてなかった。ブレイディーも、あの試合は選手がみんなかっかしてたから、誰がやっても難しかっただろうとは言っていたが。

それから、昨日は RTE みてたら、ここまでのベスト・ゴール集みたいなのをやってて、デンマーク戦の本田選手の FK のゴールが選ばれていた。各ゴール映像の最後に選手の静止画になるんだけど、他の選手はかっこいい表情が使われてるのに、本田選手だけ微妙な変顔でおかしかった。