たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

スペイン、優勝おめでとう!

スペインの優勝で W 杯は幕を閉じました。スペインのみなさん、ほんとうにおめでとうございます。

 

スペインの方が確実にいいチームだったし、勝利に値するチームだったと思います。オランダはずるさばかりが目立ってしまって、あれではもし勝ったとしてもリスペクトは得られなかったでしょう。

 

守備的な戦術を取ったりとか、芸術的なプレイを運動量やフィジカル・コンタクトでつぶしていくっていうのは、私も嫌いな方ではないですし、別にいいんですけど、あそこまで危ないプレーのオンパレードだとちょっと引いてしまいます。

 

また、主審のウェッブさんへの喰ってかかり方も、変な言い方ですが純粋なところとか、かわいげとかがなくて、どっちかっていうと恫喝っぽかったので、あれもね。オランダ対ブラジル戦で、西村主審が同じような扱いを受けてたので、アジア人だからなめられてるのかな、とも思ったのですが、そういうことではなかったですね。

 

私は RTE (アイルランド公共放送) で実況を見てたんだけど、ハーフタイムのスタジオの解説者は、3 人ともお通夜状態。自分の愛するスポーツの世界最高の舞台でこんな試合を見せられてしまって、言葉を失っているような状態です。

 

では、例によって、アイリッシュ・タイムズ紙のメアリ・ハニガン記者のテレビ観戦記から。BBC の解説者のコメントも載ってます。
http://www.irishtimes.com/newspaper/sport/2010/0712/1224274519247.html

 

ハーフタイム:
フレイディー(愛): 私たちが今目撃したものに愕然としている。冷笑的なファウル。残忍なファウル。私はダブリン的な意味で言っているのではない。残忍さ、それが私たちが目撃したものだ。(brutal (残忍な) ていうのはアイルランドの人は軽い意味で良く使う)
ハンセン(英): トータル・フットボール? 笑うしかない。まったくの暴行だ。オランダがまだ11人そろっているのが信じられない。ファン・ボメルは退場を命じられているべきだ。デ・ヨングも、シュナイデルも。
シアラー(英): これがもし一次リーグの試合だったら、オランダは少なくとも9人になっていただろう。
ジャイルズ(愛): あのプレイスタイルならヴィニー・ジョーンズがオランダのチームにいてもおかしくない。(ジョーンズは元ウィンブルドンの選手で荒っぽいプレーで有名。引退後は俳優)
ディクソン(英): シュナイデルすら暴行の一味になっている。
ダンフィー(愛): これはホラー・ショーだ。デ・ヨングがアロンソにした行為は、人を殺す可能性もあった。恐ろしい。
ハンセン(英): デ・ヨングを見てくれ。ああ、神様。
ブレイディー(愛): もしあのやり方で彼らがワールドカップを勝ち取ろうとしているのなら、それはサッカーにとって悲しい日である。
ジャイルズ(愛): この試合を見ているオランダの人たちも恐れおののいているだろう。もう彼らは勝とうが負けようがどうでもいいと思っているだろう。

 

後半終了後:
ダンフィー(愛): 修羅場。すさまじい。がっかりだ。サッカーを愛する人にとって、これは衝撃的。

 

試合終了後:
ブレイディー(愛): もしあのようなプレイの仕方でオランダが勝っていたなら、サッカーにとって暗黒の日となるところだった。彼らの芝居がかった仕草やゲームズマンシップはうまくいかなかった。(gamesmanship: 日本でよくいうマリーシアに近いと思うけど、英語でこの単語は否定的な意味合いで使われる)
ジャイルズ(愛): スペインが勝った。これが最終的な正義だ。

 

オランダの攻撃的サッカーの象徴であるクライフ氏も、「醜い(ugly)」とか「アンチフットボール」とかいう言葉で今大会のオランダのプレイスタイルを批判している。クライフって、言葉の使い方がそうとうユニークらしくて、言語学者の研究の対象となったり、彼の発言集が管理職セミナーの教材になったりしているらしいんだけど、このインタビューも不思議な言い回しで面白い。
http://www.skysports.com/football/world-cup-2010/story/0,27032,12098_6257631,00.html