たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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額に汗して働くのが一番。なのか?

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この間、友達何人かでうにゃうにゃ集まって話す機会があって、その中に金融関係の人がいたので面白く話を聞いていました。こういう時期ですから、どこをどうして投資に失敗したか、みたいな話になってたんですが、「やっぱ、額に汗して働くのが一番」ってな結論にもってきたい友人がいた。この人はもちろん金融関係ではありません。

「額に汗して働くのが一番」っていうのはもちろん一面の真理ではあるし、人生のある段階においてはわき目も振らずに働く時期があってもいいと思うんだけど、「額に汗して働くのが一番」ですべてを終わらせちゃうのはとても危険だと思うのです。

まず、自分はコツコツ働くのが好きだ、とは言っても、投資に関しては食わず嫌いじゃなくて理性的なアプローチを取ったほうがいいと思います。自分は株なんか買わない、っていったって、年金なんかで間接的には必ず金融市場に関わっているわけだから。

若いうちから自分の財産の中でどれくらいリスク取れるかみたいなことは考える癖をつけといた方がいいような気がする。それやっとかないと、中年になってちょっと自由になるお金ができたときにありえないリスクとっちゃたりとか、定年後の退職金を全部株につっこんじゃったりとか (その年だったら普通ならそんなリスク取るべきじゃないのに) しちゃう可能性もある。年取ってからの失敗は取り返しつかないですから。わかってやってるんだったらいいですけど。

また、偉い人が「額に汗して働くのが一番なのよ」って下の人に言ってるのはちょっと嫌だ。お前らは、とりあえずコツコツ働いときゃいいのよ、あとは俺らがうまいこと仕切っといてやるからよ、みたいな。いいように仕切られないように、普通の人も働いてばかりいないでちょっと世の中のことを考えるようにすれば、もっと棲み易くなると思う。

あとはですねー、私自身がそうなんですけど、日本人ってコツコツやるのが好き、っていうか、現場で自分の手を動かして仕事するのが一番って思ってる人の割合が多いと思う。それはもちろんいいことなんだけど、気をつけないと、自分の手の届く範囲がきちんとしてれば満足ってことで、公共心がなくてもオッケー、みたいなことにもつながりやすい。

カズとか中山とか40すぎてもまだ現役にこだわってるし、元ヤクルトの高津も台湾にいって現役続行らしい。それはもちろん彼らのキャリアだから彼ら自身の選択にとやかく言うことではないんだけど、でもやっぱりそろそろコーチになるなり、解説者になるなりして、若手や一般の人たちに彼らの経験や知識を伝えるポジションにいってもらった方がサッカー界的にはより有益なことなんじゃないかと思ってしまう。

現場で仕事を追及するのもいいことだと思うけど、自分の知識や経験を多くの若い人にどう伝えたらいいのか、そういうシステムをどう構築すればいいのか、もっといえば、そういうシステムを作ってそっからどう金儲けするのかみたいなことが動機になってもいいと思うのです。でも、そういう金儲けるシステムつくって稼ぐ人って日本であんまり尊敬されないですよね。本田宗一郎さんとか、ソニーの井深さんとか、金儲かるシステムつくる才覚も凄かったと思うんだけど (その辺をうまくやってくれたパートナーがいたのか)、いかに技術者として凄かったかみたいなことばかり称揚されるような気がするし。新しい雇用を創出するのはそういうシステム考える人だと思うんですけどね。

(写真は若い頃の井深さん)