たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ティーンエージャーとお酒

アイルランドでは 18 歳からお酒を飲めます。若い人がお酒を買おうとしたり、酒場に入ろうとしたら、ほぼ必ず ID カードの提示を求められます。そういうところは結構厳しいです。ただし、フェイクのカードを手に入れるのはそんなに難しくないらしいです。

 

また、18 歳未満の人がお酒をまったく飲んではいけないかというと、そうではなくて、家で保護者の許可があれば飲んでもいいのです。たとえば、夕食時にワインを一杯とか、そういうのを想定しているのだと思います。

 

土曜日の新聞 (Irish Times) に、子供の飲酒を許可することの是非を論じる記事が掲載されていました。記事は、依存症の専門家であるボビー・スミス教授の意見に基づいていて、親はなるべく子供にお酒を飲ませない方がいいという論調になっています。

 

スミス博士によれば、多くの親が、子供に恐れられるのではなく、友達のように好かれることを望んでいます。リベラルな考え方を持ち、自分の子供には自分自身の子供時代よりも豊かな体験をしてもらいたいと思っています。もちろん、そのこと自体は悪いことではありませんが、子供の求めるままにアルコールを与えるのは考え直したほうがいいそうです。

 

子供に飲酒を認める親は、子供のときから親の管理下でお酒の飲み方を覚える方が、より良くお酒とつきあえるようになると考えています。スミス博士によれば、それはまったくの間違いです。たとえば、イタリアやフランスの子供たちは夕食時に親と一緒にワインを飲むかもしれませんけど、酒との付き合い方を覚えるのは、子供の頃から飲んでいることが理由ではありません。彼らが酒との付き合い方を覚えるのは、子供だろうが大人だろうが、酔っ払ってはいけないという文化の中で育っているからなんです。一方で、アイルランド人のティーンエージャーがお酒を飲むのは、ワインを味わうことが目的ではなくて、酔っ払うことが唯一の目的になっています。(私の経験でも、イタリアやフランスの人たちは酒は軽く飲むけど、むちゃくちゃは飲まないという人が多いです)。

 

スミス博士は、最近は子供の要求に No というのが難しいと考えている親が多いけれども、親としての責任を放棄しちゃだめだと論じます。その責任とは、子供が親になる準備をしてあげることです。大人としての責任を課すことなく、大人の権利と自由だけを子供に与えるのはよくないということです。親は、子供からの何の見返りもないのに、まるで彼らのシェフ、運転手、またはメイドのように振舞っている。でも、子供たちはサービスの受け手であるだけでなく、彼ら自身の責任も果たさなければいけない。だから、今度、家族で特別な食事会をやるときには、子供たちに栓抜きではなくエプロンを渡そう、というのがスミス博士の主張です。(この項、続く。たぶん)

 

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(写真は、スーパーに売っているアルコポップです。アルコポップっていうのは、フルーツなどの味付けをしたアルコール飲料です。甘いので、ビールの味が嫌いなティーンエージャー、特に女性に人気があります。日本でも発売されているスミノフ・アイスなどもこのカテゴリーに入ります、って書こうとしたら、日本では今年の 5 月で販売終了だって。あんまり流行らなかったみたい)