ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』が本として出版されたのが1922年の2月2日。今年でちょうど100周年なわけです。『ユリシーズ』はもともとアメリカの雑誌に何回かにわけて発表されたのですが、本としては1922年にパリの出版社から出たのが最初です。
それを記念して、An Post (日本の JP みたいなもの) から記念切手が発行されました。国内郵便用と海外郵便用が各1枚です。
上が国内郵便用で1.10ユーロ。上が海外郵便用で2.00ユーロです。アイルランドははがきも封書も値段は同じです。値段の代わりに国内郵便用はに N、海外郵便用はに W と書かれています。これは、将来郵便料金があがっても、追加の切手を貼らずにこの切手をそのまま使えるということです。
この切手をデザインしたのはアムステルダムに住むアイルランド人デザイナーの Stone Twins。こういう名前の会社なのか、Stone さんという苗字の双子なのか、ちょっとわかりません。
それぞれの切手は9つのセクションに分割されています。合わせて18のセクションです。これは『ユリシーズ』を構成する章の数に合わせたものです。
『ユリシーズ』は1904年6月16日の1日を綴ったものなわけですが、切手に使われている写真は1897年から1904年まで医学生としてダブリンで暮らしたモナハン出身のJJクラーク氏が撮影したものです。クラークさんが撮影した200枚ほどの写真は、「クラーク・コレクション」としてナショナル・ライブラリー・オブ・アイルランドに所蔵されています。
また、切手のデザインは、ジョイスが友人にこの小説を説明するために作成した「ギルバート・スキーマ」という図にインスピレーションを得ているそうです。