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東欧・中欧からの移民コミュニティでワクチン接種率が低いのはなぜか

 

 

東ヨーロッパの国々は、アイルランドなどに比べてコロナ・ワクチンの接種率が低いそうです。ポーランドは 53.9%、クロアチアが47.7%、リトアニアが63.4%、スロバキアが 46.1% などなど。アイルランドにいる東欧からの移民コミュニティも同様に接種率が低いそうです。

 

クライスト・チャーチのそばにあるセント・オーダン教会で毎日曜に主にポーランド移民の信者約 300 人に対してミサを開いているスタニスラウス・ハイコウスキー神父さんに話を聞いた記事がアイリッシュ・タイムズに掲載されていました。

 

www.irishtimes.com

 

幸いなことに、ハイコウスキー神父はポーランド移民のコミュニティでコロナによる死者が出たとは聞いていないといいます。

 

「多くの人が感染したが回復した。死者が出たとは来ていない。アイルランドにいるポーランド人コミュニティは比較的若い。ほとんどの人が 20 代から 40 代だ」、

 

神父がワクチンをうつように勧めたり、協会や国の制限を守るように言うと、怒鳴られたこともあるそうです。

 

「どのコミュニティにも情緒的に不安定な人はいる。でもそうした人は少数だ。大多数は私のいうことを理解している」

 

9月と10月に ICU で治療を受けた人のうち、4 分の 1 以上がアイルランド以外で生まれた人であり、そのうち 57% はワクチンをまったく接種していなかったそうです。

 

「ワクチンなどの対策に反対する人には、どんなに理のかなった話をしても聞く耳をもたない」と神父は言います。

 

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一部のポーランド人は強く中絶に反対しており、ワクチンの研究と製造に堕胎された胎児の細分が使われているのではないかと恐れています。

 

そういう人には、神父は去年12月のバチカンの声明を思い出してもらいます。その声明では、「ほかに代替策がない場合は、こうしたワクチンを接種することは道徳的に認められる」とバチカンは声明を出しているのです。

 

モデルナやファイザーの mRNA ワクチンは人工であり、胎児の細胞は使用されていないことが確認されています。アストラゼネカのワクチンでは、1973年に堕胎された胎児の細胞のレプリカがワクチン開発に使われましたが、ワクチンそのものには胎児の細胞は使用されていません。

 

バチカンの声明によれば、「倫理的な観点から、ワクチンの道徳性は自分の健康を守る義務だけでなく、共通善を追求するという義務にも基づいている」とのことです。

 

また東ヨーロッパの人々は、共産主義時代の政府が主導したワクチン政策に疑いを持っていました。

 

ハイコウスキー神父によれば、「多くの東欧人は何世紀も自然に近いところで暮らし、病気を治療するために伝統的な医薬に頼ってきた。政府には放っておかれたし、病気やウイルスに対処するのは今回が初めてではないということだ。国が違えば、常識や手順も違う」。つまり、近代西洋医学に対してアイルランド人ほど信頼を置いていないということでしょうか。

 

さらに、嘘情報やフェイク・ニュースがソーシャル・ネットワークで共有されているというのも大きな要因のようです。

 

2016年の国勢調査によれば、アイルランドにはポーランド人が 122,500人います。アイルランドにおける最大のエスニック・マイノリティということになります。現在は150,000人ぐらいいるのではないかとハイコウスキー神父はみています。

 

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