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アストラゼネカ・ワクチンの副反応

 

 

欧州医薬品庁 (EMA) が、血栓アストラゼネカ・ワクチンによる稀な副反応であると結論付けました。ただし、感染からの保護という健康上のメリットが、リスクを上回るとしています。

 

www.irishtimes.com

 

この結論は、独特の臨床パターン、免疫学的調査結果、通常よりもこの症例が多く報告されているという観察に基づくものです。

 

UK と EU で3400万人がこのワクチンの接種を受けましたが、脳静脈洞血栓症が169例、内臓静脈血栓症が53例報告されています。どちらも非常に稀な血栓症です。

 

アストラゼネカ・ワクチンの製品情報には、この症状が稀な副反応であることが記載されることになります。この症状の初期の兆候としては、継続する重い頭痛、目のかすみ、注射した場所以外にあざが現れる、などです。

 

現在のところ、この副反応が現れた患者のほとんどは60歳以下の女性ですが、年齢や性別に関するリスク要因については証拠となるものは見つかっていないとEMA は言っています。

 

多くの国では、アストラゼネカのワクチンは医療従事者に投与されました。医療従事者は女性が多く、60歳以下の人が多いため、こういう偏った結果が出ている可能性があるということです。

 

EMA は、リスク/ベネフィット分析は国によって異なるので、各国の監督機関が事態をモニタリングするべきだとしていますが、メリットがリスクを上回ることから、このワクチンを今後も使用することを各国に薦めています。ワクチンのメリットについては EMA はかなり力を入れて強調していますね。

 

EMA が以前発表したところでは、血栓の報告例は、アストラゼネカは100万人に4.8人、ファイザー/ビオンテックが0.2人、モデルナが0人だそうです。ただし、後者は接種数がまだ少ないから、という理由かもしれないとのこと。

 

UK では、やはりワクチンのメリットが非常に大きいとしながらも、若い人の間で稀に血栓が発生したことから、30歳以下の人にはファイザー/ビオンテックまたはモデルナのワクチンを投与することにするとしました。

 

UK の監督機関である MHRA には、3月31日までに、ワクチンの1回目の投与の後、血小板数の低下を伴う血栓の例が79件報告されたそうです。このうち19人が死亡。ただし、死因についてはまだ確定していません。51人が女性で28人が男性、年齢は18歳から79歳まで。

 

現在、フランスとドイツはアストラゼネカ・ワクチンを年配者のみに投与。ノルウェーデンマークは、このワクチンの投与を一時停止した後、まだ再開していません。韓国とエストニアは水曜日、60歳以下への投与を一時停止しました。

 

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Aviva スタジアムのワクチン投与センター

 

当然のことながら、アイルランドでもアストラゼネカ・ワクチンの投与方法を見直すべきではないかという声があがっています。

 

www.irishtimes.com

 

アイルランドでは、204,000人にアストラゼネカ・ワクチンが投与され、ワクチン接種に関連する可能性のある血栓の症例が18例報告されました。ただし、懸念されている稀なタイプの血栓症は1つもないそうです。

 

記事には専門家の声がいくつか引用されていますが、メリットがリスクを大きく上回るという見方は一致しているようです。しかし、アイルランドでも、他の国と同様に年齢制限などが近日中に加えられるかもしれません。

 

日本だと無責任な大手メディアがワクチンの危険性を煽りそうなニュースですけれども、アイルランドのメディアはそこまでひどくありません。

 

北アイルランドでは、木曜正午から40~44歳の人のワクチン接種予約を受け付けるんだって。早いねえ。既に100万回分近くのワクチンが投与されています (そのうち167,000件が2回目の投与)。

 

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