たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

Integration と統合 (2)

敬愛する友人たちが Integration の訳について、「同化する」、「受け入れる」などの案を出してくれました。

「同化」や「溶け込む」、「受け入れる」っていう言葉もいい言葉だと思います。しかし、これが「Integrate」と決定的に違うのは、「同化」や「溶け込む」の主語は移民なんですが、「Integrate」の主語はホストネーション側なんです(自動詞として移民を主語にすることもできます)。私としてはホストネーション側の働きかけに重点を置きたいんです。「受け入れる」もそのへんの意味が弱いと私は思うのです。例を上げてみますと、電車の席に座っていてみんな座ってるんだけどちょっと詰めれば座れるので、みんなで席を詰めて移民の人に座ってもらうようにしようよ。これが「受け入れ」。これに対して「Integrate」は、立ってる移民の人の手を引っ張ってまあちょっと座れと。そこぐらいフレンドリーでもいいんじゃないか。そしてもし移民の人がしきたり知らなくて股開いて座ってたりしたら、股閉じて座ってくれないとみんな気持ちよく座れないじゃん、とちゃんと言うと。「Integrate」の方がホストネーションの心理的負担が少ないというのは、「股閉じて座ってくれないとみんな気持ちよく座れないじゃん」っていうのは言ってもいいことだっていうことがはっきりすると思うからです。

私がこういうことを思うのは、日本で移民のウェルフェアために一生懸命活動している人たちが、どうもホストネーションである日本人に譲歩しろ、我慢しろということを言い募る傾向があるように思うのですね。それが一般的な日本人の心理的抵抗の原因になってしまって、逆にインテグレーションを妨げているような気がするのです。だから、なんかいい言葉はないかなあと思うのです。そういう活動をしている人たちは、多文化が共存・共生するのが至上だから(もちろん、社会としてintegrationした上で多文化が共存・共生するのは私も賛成ですよ)、「移民を日本社会に「統合」する」みたいな言い回しはそうとう嫌がるだろうと思うのです。

友人たちの意見をいただいたおかげで、私も自分の考えをもっと深めることができました。ありがとうございます。