先日、ドネゴール県のバンクラナにあるパブが、パイントのデリバリーサービスを始めたところ、警察にやめさせられたのだが、最終的に合法であるという判断が下され、サービスを再開したという記事を書きました。
ところが、昨日のアイリッシュ・タイムズ紙によりますと、北アイルランドでも同じことが起こったとか。
A Belfast pub has been given the go-ahead to resume its pint delivery service after the police said they were satisfied it was not in breach of licensing laws⠀https://t.co/Bej9q8uHXf
— The Irish Times (@IrishTimes) 2020年5月29日
このパブは、ベルファストにあるハットフィールド・ハウス・バー。ロックダウン中の4月にこのサービスを始めたところ、警察がやってきて中止させられたのですが、パブは弁護士を雇って合法の判断を勝ち取ったそうです。バンクラナの件とまったく同じですね。
顧客が事前に代金を支払うと、ギネスの樽を積んだバンが自宅までやってきて、その場でギネスを注いでくれるそうです。パブのマネージャーによると注文の電話が鳴りやまないとか。
記事に掲載されている写真がまたいいですね。黒マスクにフェイスガードをした通称「パイント・マン」が、プラスチックの使い捨てコップに入ったギネスを4杯配達しているの図。後になって振り返ったときに、ロックダウンの時期を象徴する写真の1枚になるのではないでしょうか。
アイリッシュ・タイムズの取材に答えてマネージャーのリッチー・キーナン氏は、「ほっとした。この(合法の)判断で雇用が守られる。顧客はとてもハッピーで」と言っています。ロックダウン中にそこまでして金儲けしたいのか、などという口さがない自粛警察さんもいるかもしれませんから、従業員のこと、そして顧客のことを考えてのことだ、と強調するのは重要なことでしょう。
お上にモノ申しても酒だけは飲むぞ、という強い意思を感じさせるお話。「酒飲み」「反抗精神旺盛」というアイルランド人のステレオタイプに見事に合致する微笑ましいニュースでした。