たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ロイ・キーンの自伝「Second Half」

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ロイ・キーンの公認オートバイオグラフィーとしては 2 冊目になる「Second Half」という本が今週の木曜発売予定だったんですけど、マンチェスター郊外の Tesco (というスーパー) が間違えて昨日店頭に並べてしまい、大騒ぎになっております。

 

たまたま手に入れた人が Twitter でしこしこと内容を公開したので、メディアも一斉に解禁という状態になりました。今日のアイルランドの新聞は、どれも一面にキーンの写真を載せていました。(たぶん、メディアには、発売日まで記事にしないでね、という約束で先に本をわたしてたんだと思う)。

 

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で、今回すごいのは、ゴーストライターを「パディー・クラーク、ハハハ」でブッカー賞を取ったロディー・ドイルがやってること。だから、サッカーファンだけじゃなくて、アイルランド文学お好きな方も必読ではないでしょうか。

 

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キーンぐらい有名な人がこういう本を出すときは、だいたい一部を新聞に先行で連載するんですよね。新聞社からお金もらって。新聞社はそれで部数が伸びるし、著者の方は本の宣伝になるしで。しかし、今回はそれをやらなかった。そしたら Twitter で無料で先行発表されちゃうし。意地悪な人は新手のマーケティング手法か、などと言ってるらしい。んなわきゃない。

 

オートバイオグラフィーはまあ一般的には「自伝」とか「自叙伝」とか訳されますけど、それだとちょっとニュアンスがずれちゃいます。オートバイオグラフィーは少なくともイギリス/アイルランドの出版文化のジャンルのひとつでして、スポーツ選手とか、芸能人とか、政治家とか、有名な人の回想録です。メモアールと言った方が日本語的にはしっくりくるかもしれません。

 

ご本人が自分で書くことは少なくて、だいたい口述して、それをプロのライターが構成/執筆するという形です。実際に書く人のことを英語でもゴーストライター (Ghost writer) とか動詞でゴーストする (to ghost) とか言いますが、名前は本に載ります。ただ、今回のロディー・ドイルみたいに表紙にゴーストの名前が載るってのはあんまり見たことないですね。

 

それで、こういう本を出すときには、ありきたりのことを書いても仕方ありませんので、何か新しい事実の暴露とかがあるわけです。キーンの前回の自伝「Keane」(2002)では、それは例のサイパン事件とハーランドへの酷いタックルだったわけですが、今回はファーガソンと大喧嘩してマン U をやめたときの話みたいです。新聞にもいろいろ内容が出てきてますので、できればあしたご報告できればと思います。