たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

いい気持ちになるかと思ったら逆に悪くなった件

昨日、ラネラのビーチウッド・アヴェニューを歩いていたら、20 代後半ぐらいの女の人が切羽詰まった顔をして走り寄ってきました。彼女がしゃべり始めてすぐに、お金をくださいという話だということがわかりました。

 

こういうことは割とよくあります。たとえば、ホームレスの人に小銭を恵んでくれと声をかけられるののは日常茶飯事です。こういうのはきりがないので私は無視してしまうんですが、カソリックという宗教の影響もあるのか、恵んであげる人も割といるみたいです。

 

昨日の女の人は、カジュアルでしたけど清潔な服を着ていたので、ホームレスの人ではありませんでした。女の人にそんな真剣な表情で話かけられたら何か緊急事態かもしれませんから、話を聞かないわけにはいきません。

 

ルアス (電車) の中で財布を盗まれてしまった。警察にも行った。CCTV に犯行の現場は写ってるかもしれないけど、とにかく今はお金がない。自分のことはどうでもいいけど、赤ん坊に食べる物と暖房が必要なの。と泣き出します。

 

もちろん嘘を言ってお金をもらおうとする人もいるんですけど、私はこの人はたぶん本当のことを言っていると思いました。このまま立ち去るのもきまりが悪いですし、ちょうど 5 ユーロ札があったのでそれをあげたんです。5 ユーロぐらいまた稼げばいい話だし、それで赤ちゃんがお腹いっぱいになればいいし、私自身もそれで「いいことしたなー」といい気分になればいいと思ったんですね。お金をあげていい気分になるのが良いことか悪いことかはわかりませんけど、とにかく私はそういう人間です。

 

それで「ありがとう」って言われるかと思ったんですけど、「ほんとうにこんなことはお願いしたくないんだけど」などと前置きしながらも、あと 5 ユーロほしいって言うんですよ。泣きながら。

 

正直、私はちょっとうっとうしくなったのと、細かいお金ももうなかったので、「ほかを当たってくれ」と港のヨーコ・ヨコハマヨコスカみたいなことを言って、プイって立ち去ってしまいました。

 

しばらく歩いて後ろを振り返ると、その女の人はお金をくださいって一軒一軒ドアのノックして回ってるみたいでした。

 

それを見て、あと 5 ユーロぐらいケチらずにあげればよかったなーとか、立ち去るにしてももうちょっと優しい言葉をかければよかったとか、お金はあげないまでも車に乗せて送って行ってあげてもよかったんじゃないかとか、いろいろ考えて自己嫌悪な気持ちになりました。

 

彼女もたぶんお金を取られてパニックになってたと思うんですね。だからあんなに切羽詰まってたわけだし、そこで普通の社交的な会話を期待してもしょうがないわけで。身なりも小ざっぱりしてたし、実際には食うや食わずみたいな状況ではないと信じたい。

 

なんといいますか、コミュニケーションの行き違いってどんな状況でも起こりうるのだなーと思いました。それともこういう状況だからこそ起こったのか。人の話は慌てずによく聞くことが大事ですね。でも、道でいきなりお金をくださいって言われると、今でもやっぱり困惑するんだよなー。

 

話はかわりますが、復活祭のウィークエンドが終わりまして、イースター・エッグのチョコが近所のスーパーで半額セールになっていました。

 

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