たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ロックダウンでお金が節約できた!?

 

 

ロックダウンで WFH (ワーク・フロム・ホーム) している人は、実はお金をけっこう節約できているんじゃないか、というお話。いつもは消費者物価などの記事を書いているコナー・ポープ記者が解説します。

 

www.irishtimes.com

 

ポープ記者自身もアイリッシュ・タイムズの社屋にフルで出社したのは去年の3月11日のこと。ほぼ1年前です。それからは、2回ほどちょっと立ち寄っただけだそうです。

 

学校、オフィス、お店、飲食店などが閉じたせいで、全国の労働人口の3分の1ほどが突然出社しなくていいようになりました。もちろん、家で働くとなると、出勤していた頃にはなかった新しい問題も生まれてきますし、職を失った人はもっとたいへんです。

 

しかし、少なくとも家計的にはロックダウン前よりも今の方がいいのではないか。一番わかりやすいのは通勤。M50を使っている人は1日に2回料金を支払う必要がありましたが、それがなくなったことで1000ユーロぐらいは節約できている。

 

中央統計局のデータによりますと、去年の7月から9月の間だけで、アイルランドの家庭は合わせて23億ユーロを節約したとか。

 

ポープ記者がツイッターでアンケートを取ったところ、2000人から回答があり、以前に比べて使ったお金が少なかったと答えたのは69%。多いと答えたのが10%。残りの21%が変わらないと答えました。

 

では、どこでどのくらい節約したのか。

 

まずガソリン代。自動車を運転する人は平均して年に16000km走ります。普通のファミリー・カーですとガソリン代は1729ユーロ。ところが、去年は平均して走行距離が約4分の1になったので、約1300ユーロ節約できています。

 

また、通勤に電車を使っている人の場合、ダブリン近郊に住んで電車とLuas (軽鉄道) の両方を使っている人は月に180ユーロのチケットを買う。1年に直せば2160ユーロ節約できたということになる。(アイルランドでは会社から交通費は出ません)。

 

しかし、家にずっといるわけですから、電気代やガス代は上がっています。ただ、AA ホーム・インシュアランスの調べによりますと、それほど大きな数字ではない。平均すればガスと電気を合わせて年に210ユーロぐらいしか上昇してないようです。

 

また、自宅で働くことで大きく節約できた出費には昼食代があります。お昼に何を食べるかは人によってかなり違いますけど、まあたとえばコンビニでサンドイッチとポテチとドリンクを買うとしましょう。これで週に35ユーロかかります。年にすると1610ユーロほど。

 

もちろん家で働いたからと言ってお昼を食べなくなるわけではないですが、昨日の残り物を食べたり、自分でサンドイッチを作ったりすれば、ずいぶん安上がりです。たとえば、テスコで3ユーロのチーズの塊とパン(1.60ユーロ)を買ってくれば、ランチ3日分は持つでしょう。あとの2日を残り物で済ませれば、昼食代は年に230ユーロで済んでしまいます。

 

あと、テイクアウトのコーヒー。毎朝コーヒーを買ってオフィスに行っていたとすると、まあ230杯分くらい節約したことになります。1杯3ユーロとして690ユーロです。

 

いやまあ、家でもコーヒー飲むでしょう。ネスプレッソ・マシンで1日に2杯飲んでもその費用は80セント。年間184ユーロです。自分で豆を挽いたり、インスタントコーヒーを飲むのであれば、もっと安上がりですね。

 

それから、社交に使う費用。パブも映画館もレストランも閉まりました。もし普段週に50ユーロを遊興費に使っていたとしたら、年に2000ユーロほども節約できたかもしれません。

 

あと髪のお手入れに使うお金。美容院も理髪店も閉まりましたからね。こちらの出費は人によって年に120ユーロから800ユーロまでと大きく異なりますが、たぶんこれも去年は半分ぐらいになったのではないでしょうか。

 

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また、会社に行く必要もなく、社交の機会も減ったということで、衣料品に使うお金も少なくなっているはずです。家で働く分には寝間着を着ていても怒られません。

 

あと、お金を使うっていうのは習慣でもあるわけです。たとえば、コンビニに寄ったときにポテチやガムをつい買ってしまうとか。移動が少なくなり、お店の前を通りすぎる機会も減ったことで、こういう習慣的に使うお金も大きく減っているそうです。たとえば、週に10ユーロ使っていたとしたら、それだけで年に500ユーロです。

 

普段であれば、年に10000ユーロも節約できるというのはお祝いしてもいいようなことですが、今回はそうではない、とポープ記者は書いています。多くの人の命が奪われ、多くの人が職を失い、経済が混乱し、その結果としてなんだか節約できてしまったというわけですから。

 

パンデミックが終わって、テイクアウトのコーヒーを飲んだり、家族でない人が作ったサンドイッチを食べたり、TK マックスでしょうもないものを買ったりする日が早く戻ってくればいいな、とポープ記者は締めくくっています。

 

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