たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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ダブリンの暴動

おととい(23日)の夜にダブリンのシティ・センターで暴動がありました。Luasの窓ガラスが割られ、バスに火がつけられ、お店が略奪されました。

 

その日の昼過ぎに、パーネル・スクエアでナイフによる襲撃事件が発生しました。男が学校帰りの小さな子供3人と大人2人を負傷させました。そのうち子供一人が危篤状態とのことです。

 

当初、メディアでは犯人のプロフィールについてはほとんど報道されていなかったのですが、SNSでは犯人はアルジェリア系の移民であるという情報が早くから出回っていました。そして、こうした事件が起きるのは移民政策の失敗のせいだという扇動があり、社会の隅に追いやられている人々の不満のはけ口として暴動が発生したようです。

 

今日の朝(25日)の段階でも新聞等ではナイフ襲撃犯の本名や出自については明らかにされていません。40代後半男性、過去20年間アイルランドに在住、帰化してアイルランド国籍、という情報が出ているだけです。

 

アイルランドに30年住んでいますが、これほど大きな暴動は記憶にありません。2006年にも大きな暴動があったようなのですが、当時は仕事がすごく忙しかったせいか私の記憶から抜け落ちています。

 

大量移民に関する一般の人々の不満は以前からぽつぽつと出ていました。移民排斥をあおるような極右的なものもありましたが、公的サービスへの圧迫や観光業への打撃 (ウクライナからの避難民がホテルに宿泊しているため観光客の宿泊施設が足りない) などのもっともな主張もありました。

 

昨日の昼、ランチに出たついでに街の様子を見てきました。1時ごろです。

 

パーネル・ストリートには窓の割られたLuas車両がまだ停まっていました。オコネル・ブリッジでは大規模な線路の補修が行われていました。

 

 

略奪に狙われたのは靴屋で、FoollockerとAsicsが侵入されていました。Schuhのウィンドウにもヒビが入っていました。アーノッツも被害に遭ったようです。

 

 

昨日の夕方はシティセンターのお店は早めに閉めたようです。警官がたくさん配備されていました。小競り合い程度のものはあったようですが、昨日は大きな混乱はなかったようです。

 

23日の暴動については警察がコントロールを失った状態となったため、その対応に問題があったのではないかと法務大臣と警察のトップが批判されています。

 

事件を受けてレオ・バラッカー首相は、暴動はアイルランドに「恥をもたらした」と強く非難しています。マイケル・D・ヒギンズ大統領は「隅に追いやられた人々が極右に搾取されることのないよう、政府は彼らの声を聴く必要がある」と述べています。

 

現場でナイフ襲撃犯を止めた1人はフード・デリバリーの仕事の途中だったチャオ・ベニチオさん。ブラジル人です。被っていたヘルメットで襲撃犯に殴りかかったようです。GoFundMeではチャオさんに1杯おごろうという募金ページが立ち上がり、またたくまに20000ユーロ以上が集まったそうです。

 



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