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アイルランドはティーンエイジャーのように考えるべき

先日アイリッシュ・タイムズに載っていた経済学者デイビッド・マクウイリアムスのコラムがおもしろかったです。アイルランドは、日本や他の西欧諸国と違って若い社会なんだから、老人のように考えるのではなくティーンエージャーのように考えるべきだ、という主張。

 

冒頭で日本のエピソードが出てきます。1963年に日本は100歳になった人に銀杯を授けることにしたのですが、そのときの対象者は153人でした。それが2020年には百歳以上の人は8万人になりました。2027年には17万人になるだろうと予測されています。

 

長生きすることは個人にとってはもちろんいいことなんですが、社会は人口構成に合わせて変えていく必要があります。高齢化社会は消費や投資が少なく、住宅/健康/財政支出に異なるアプローチが必要です。定年退職年齢や年金などの社会政策も適応させなければなりません。働く人が少なくなり、通勤者が減れば、交通政策や都市計画も変化します。

 

実は少子化が進んでいるのは日本だけではないんですよね。EU全体でいえば、人口は2070年までに今から5-10%減少すると推定されています。しかし、アイルランドは逆で32%増加するとみられているそうです。アイルランドの他に増加幅が大きいのはマルタ(+41%)、ルクセンブルク(+27%)、キプロス(25%)です。アイルランドの2051年の人口は560万人から670万人の間だろうとアイルランド中央統計局は予測しています。アイルランドの現在の出生率は1.78%。これはヨーロッパで最高レベル。ほかに高いのはフランスの1.84%です。

 

ティーエージャーのように考えるといのは、まだ体の大きくなるティーエージャーがワンサイズ上の洋服を買うように、人口の増加を見越して教育や住宅などすべての社会政策を設計しようということですね。アイルランド島は今世紀の末までには1千万人が住むようになる可能性がおおいにあるわけですから。

 

現在でもダブリンなどでは住宅不足が叫ばれていますが、これも過去20年で人口が3割ほど増えたことが一因でしょう。

 

コラムの締めは、もう一度日本の話題になります。日本は戦後アメリカ市場にモノを売って国を立て直しました。アイルランドアメリカの資本(海外直接投資)を使って他の西洋諸国に追いつきました。人口は200年かかってジャガイモ飢饉の前の状態まで戻ってきました。このチャンスを逃さないようにしよう、というものです。

 

www.irishtimes.com

 

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