たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

タノックスのティーケーキ

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アイルランドで食べるお菓子で何がいちばん好きかっていうと、タノックス (Tunnock’s) のティーケーキです。ティーケーキって言ってもいわゆるケーキではなくて、クッキー生地を土台にマシュマロを乗せ、それをチョコレートでコーティングしたものです。頬張ると、チョコがぱりんと割れてマシュマロのふわりとした触感が口の中に広がります。マシュマロとチョコのダブルの甘さがたまりません。庶民的な、すかしたところのない味です。

 

タノックスはスコットランドの会社で、彼の地ではカルト的な人気を誇る国民的お菓子なのだそうですが、小さな製菓会社が次々と多国籍企業に買収される中、今でも家族経営を貫いています。たとえば、キットカットも昔は「マッキントッシュのキットカット」と宣伝していたと思いますが、今はネスレの商品になってしまいました。

 

タノックスは小さな会社ですから、もともと商品の種類も少ないのですが、長い間アイルランドでは同社の製品はこのティーケーキだけしか手に入りませんでした。ところが先日たまたまテスコ (イギリス資本のスーパー) に寄ったところ、タノックスのもうひとつの主要商品であるキャラメル・ウェファースが棚に陳列されていたのです。

 

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タノックスの Web サイトに載っているのをチェックしていたのですが、実際に食べられる日が来ようとは。さっそく買って味見してみました。ウェファース菓子にしては、ぶっとくて重量感があります。食べてみると、これもまた昔の味や。ウェファーの間にはさまったキャラメルの量が微妙に多いので、洗練された味にはほど遠いんだけど、がっつり食べたっていう満足感がある。山歩きするときに何本かリュックの中に入れておいて、休憩時間に食べたいです。

 

タノックス以外のお菓子で外せないのはジャファ・ケーキです。これは、丸いスポンジケーキの上にオレンジゼリーを乗せ、チョコでコーティングしたものです。ジャファっていうのはイスラエル原産のオレンジの種類だそうです。ジャファ・ケーキを出している会社は何社もありますが、私が一番好きなのはジェイコブス (Jacob’s) のやつ。マクヴィティーズ (McVitie’s) のはちょっと薬くさい気がするので。

 

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ロディ・ドイルの小説「ザ・コミットメンツ」で、トランペット奏者のジョーイ・ザ・リップスが「ジャファ・ケーキはダブリンのソウル・フードだ」と宣言する場面があります。ダブリンの人たちは、ジョーイさんの意見に賛成するかな。どちらかというと同じジェイコブスのフィグ・ロールズ (ドライ無花果をスポンジケーキで巻いたお菓子) の方がダブリンのソウル・フードというイメージが私にはあるのですが。
 
関連項目:
タノックスのTシャツを作った話