ここ1週間くらいでドイツの Jacobsとイギリスのお菓子会社のローントリーズの話を書きましたので、今日はアイルランドのお菓子会社のジェイコブスの話を書きたいと思います。ジェイコブスの話というか、私が買ったジェイコブスの昔のポスターの話です。
ジェイコブスはアイルランドとイギリスで有名な会社。19世紀半ばの創業で、クッキーとビスケットが有名。パイ生地の中に乾燥いちじくが入っているフィグ・ロールという製品は、アイルランドのある種の国民的スナックです。同社の歴史については、前回ちょっと書きましたのでこちらをどうぞ。
お菓子の会社のポスターってデザインがいいんですよね。私、ジェイコブスのポスターを3つ持っているんですが、一番デザインが気に入っているのがこれ。
背景色の微妙な黄緑色がいいですし、個々のお菓子の包装紙もデザインもシンプルでいいですね。当時はあまり色を使ってなかったんですね。中央に書かれている2dというのは値段で、2旧ペンスの意味。1971年までは、240ペンスが1ポンドだったんです。ちなみに12ペンスが1シリング、20シリングが1ポンドでした。
100ペンスが1ポンドになったのは、1971年の2月15日。イギリスもアイルランドも同時です。ですから、このポスターが作られたのはそれ以前ということになりますが、量り売りではありませんので、前回ご紹介したローントリーズのミラーよりは後ということになるでしょう。
次はこちら。
これは品のあるデザインだと思います。ちょっとシンプルすぎてそっけないように見えるかもしれません。実は「JACOB’S」の文字の上下に赤い文字で何か書いてあったんですけど、今は判読不能なくらいに退色しています。上に「Family (不明)」、下に「Biscuits Cakes」と書いているようにも見えます。
このポスターがいいのは、額縁がオリジナルなんですね。上にW&R Jacobs & Co Ltd. と刻印してあります。
最後はこちら。
3つの中ではこれが一番のお気に入りです。これ、そうとう古いと思います。まず、ロゴが「JACOB’S」じゃなくて「JACOB & Co’s」なんですよね。で、ここからは想像になりますが、ジェイコブスの宣伝の絵を描いていたハリー・ジョン・ピアソンというデザイナーがいて、画風からいって、このポスターも彼が書いたんだと思います。彼がなくなったのが1933年ですので、おそらくそれ以前のものだと言えると思います。
この写真からはわからないかと思いますが、最初の持ち主が子供に単語を教えるためでしょうか、「Girl」「Dog」「Snow」などと書き込みがしてあるんですね。それもいい味になっています。
お値段は、下2つが30ユーロ 、一番上がちょっと分からないんだけど30とか50とかそのあたりだったと思います(いずれもハンマープライス。実際には、これに手数料15%~20%が加算されます)。