その中の 1 つですが、ミスター・スポックのモデルになったのは、ダブリンの "The Toucher" Doyle という人物ではないかという説が、3/1付サンディ・インディペンデント紙に掲載されておりました。
というか、実物のドイルさんじゃなくて、彼を描いた絵がダブリンのパブに飾られていたんですけど、その絵にインスパイアされたんじゃないか、というお話です。
上の写真の右側の男ですね。耳の尖り方、逆八の字の眉毛、切りそろえた前髪など、スポックの特徴が揃っています。絵のモデルが誰かも確実にはわかってないらしいのですが、左側のボーラーハットをかぶっているのがダブリン市長を務めたアルフィー・バーン。右側の男、通称 "The Toucher" Doyle はダブリンでも有名な男で、なんで有名かというと、いろんなパブに現れてはお金もってそうな人にせびってお酒にありついていたからだそうです。昔はそういう人もけっこう居場所があったのだと思います。
この絵を描いたのはハリー・カーノフ (Harry Kurnoff) という人なんですが、この人はダブリンの路地裏やパブの風景などを描写するのを得意とした人です。最晩年になるまでほぼ無名のまま人生を過ごしましたが、死後に人気が高まり、この絵は 7 年前のオークションで 190,000 ユーロの値がついたそうです。
タッチャー・ドイルがスポックのモデルだという話の出所は、ハリウッドでセット・デザイナーをやっていた Ted Morrison さんという人で、1960 年頃、ハリウッドの裏方の世界では、ダブリンのパブに掛かっていた絵がスポックの原型だというのが定説になっていたそうです。