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和製英語「Skinship」(スキンシップ) がオックスフォード英語辞典に採用される

 

 

「スキンシップ」は和製英語とされ、Skinship という英単語はないものとされていたのですが、今回の改訂で遂にオックスフォード英語辞典に採用されることとなりました。

 

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skinship, n. : Oxford English Dictionary

 

児童心理学者の平井信義氏によれば、彼が参加した1953年のWHOのセミナーで、アメリカのある学者がこの言葉を使ったそうです。アメリカではこの言葉は一般に広まることはなかったのですが、平井氏が日本に紹介したところ人口に膾炙して誰もが知る言葉になったということのようです。

 

さて、この Skinship という単語が英語に逆輸入されたのは、日本から直接というわけではないようです。スキンシップという言葉は韓国でもよく使われ、韓国のポップカルチャー英語圏で広がるにつれ、この言葉も英語圏に浸透していったということのようです。

 

今回の改訂でオックスフォード英語辞典に20を超える韓国語起源の言葉が追加されたという記事が今日のアイリッシュ・タイムズに載っていました (ガーディアンの配信記事)。

 

www.irishtimes.com

 

今回の改訂で新しく採用された韓国語起源の言葉は、まず K-drama や K-beauty など、K-の接頭語のつく言葉。K-pop は2016年に既に採用されています (J-popももちろん採用済み)。日本語でいう韓流は Hallyu という綴りで今回採用されました。また、韓国に関連することを示す接頭語として K- も採用されました。また日本の漫画に由来する Manhwa も追加されました。

 

食べ物関係の言葉としては、bulkogi (ブルコギ)、chimaek (チメク: フライドチキンとビールのセット)、Galbi (カルビ)、Samgyeopsal  (サムギョプサル)。大食いしながらライブストリーミングする mukbang (モクバン) も採用されました。

 

韓国の伝統に関する言葉としては、まずhanbok  (朝鮮民族の民族衣装である韓服のこと、たとえばチマチョコリはこの一種)。そしてTang Soo Do (武道の唐手道)。

 

また、日本語由来の Kawaii (これもオックスフォード英語辞典に採用されています) の韓国語バージョン Aegyo も採用されました。韓国のポップ文化に特有のある種のかわいさ・魅力を指す言葉だそうです。

 

Daebak (デバク) な何か素晴らしいことが起きた時に韓国語話者がよく発する言葉だそうです。英語の「Fantastic!」「Wonderful!」にあたるような言葉。

 

また、noona (男性が姉や年上の女性を指すときに使う言葉)、oppa (女性が兄や年上の男性を指すときに使う言葉)、unni (女性が姉や年上の女性を指すときに使う言葉) も採用されました。

 

それから Fighting。これは日本語で「がんばれ」ぐらいの意味。もしかしたら日本語の「ファイト!」の影響があるかもしれません。それから PC Bang。これはインターネット・カフェみたいにコンピューターが何台も置いてあって、それを有料で使わせてくれるお店なのですが、ユーザーは主にLANゲームを行うためにやってくる場所なのだそうです。

 

最後になりましたが、オックスフォード英語辞典の Web サイトに掲載された記事によれば、Skinship も韓国語由来の言葉として紹介されています。おそらく、英語圏では韓流ポップ文化の文脈でこの言葉がよく使われていたということなんでしょう。上で紹介した実際のエントリには日本語の方が早いことは明記されていますが。

 

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オックスフォード英語辞典事務局によれば、韓国語由来の言葉が数多く採用されたことは、言葉の使用法が英語圏を超えて変わっていることのしるしだそうです。また、英語に韓国語が採用され広がることは、語彙的な革新は英国と米国という伝統的な英語の中心地だけで起きるものではないということのあかしだそうです。

 

 

 

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