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ストバート・エア (エアリンガス・リージョナル) の破綻

 

 

パンデミックの影響で航空業界は厳しい状況が続きますが、エアリンガスと提携してエアリンガス・リージョナルのブランドでコミューター (近距離) 便を運航していたストバート・エア (Stobart Air) が破綻。6月11日から即座に運行をすべて停止しました。

 

www.irishtimes.com

 

ストバート・エアは主にイギリスの地方空港とアイルランドを結ぶ空の路線を運航していました。パンデミックの影響により移動が制限されたことで、乗客は通常の6%ほどにまで落ち込んでいたようです。

 

ストバート・エアの親会社であるイギリスのエスケン (Esken) 社はマン島登記のエティル (Ettyl) という会社にストバートを売却しようとしていたのですが、エティル側の資金調達が暗礁に乗り上げて断念せざるを得なかったようです。エティルの26歳の社長さんは、暗号通貨で一旗あげた人で、ストバートを買収していれば、彼にとっては初めての航空ビジネス参入となっていたようです。

 

エスケンはストバートへの資金援助を続けていましたが、昨年の段階で、永遠に資金援助することはできないという警告を発していました。

 

エスケン (この会社がもともとストバートという名前のイギリスの運輸会社でした) がストバートの経営権を取得したのが2002年の4月。その前はエスケンの関連会社であるコネクトという会社がストバート・エアの親会社でした。コネクトはイギリスのコミューター航空会社であるフライビー (Flybe) という会社も持っていたのですが、そこも昨年3月に経営破綻しています。

 

ストバート・エアの最大の強みは、エアリンガスとの提携でした。先ほども書きましたがエアリンガス・リージョナルというブランド名のもと、最盛期は30の路線で週900フライトを飛ばしていたそうです。

 

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しかし、この契約が更新されないことになったのです。昨年入札があって、エアリンガスはエメラルド・エアウェイズという会社に2023年からエアリンガス・リージョナルの運航をまかせることにしたのです。

 

これによって、事業としてのストバート・エアの魅力は大きく減じたわけですが、破綻の直接の原因はパンデミックによる乗客の大幅な減少だそうです。

 

エアリンガスには3つの選択肢があります。ストバート・エアが運航していた路線を少なくとも一部廃止にする。エメラルドとの契約を前倒しにする。そして、自社で路線を運航する。エアリンガスはこの最後のオプションを最優先に考えているようです。

 

ストバート・エアは元々はエア・アラン (Aer Arann) として 1970 年に設立されました。小さな飛行機を使ってゴルウェーとアラン諸島間の路線を運航していました。その後、徐々に規模を拡大してイギリスやフランスとの間も飛ぶようになったのですが、2010年に経営破綻。その後、2014年にストバート (現在のエスケン社) が経営権を握りました。

 

アラン諸島へのフライトは現在エア・アラン・アイランズという航空会社が運航しています。こちらの方は影響はないのかな。本土側の飛行場はゴルウェー県インヴァリン (Inverin) という町にあるコネマラ空港です。

 

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