ロックダウンで不要な海外旅行は一切できないわけです。不要でない旅行とは、医学的な治療を受けに行く場合などです。そこで、どうしてもホリデーに出かけたいアイルランドの人たちは考えました。そうだ、テネリフェの歯医者に予約を入れればいいんだと。
カナリア諸島のテネリフェで開業するテネリフェ南歯科医院では、少なくとも 50 人のアイルランド人が電話やメールで予約の手紙やメールを要求してきたとのこと。問題は、誰1人として予約の時間に現れなかったことです。
不要な海外旅行には罰金が 500 ユーロ課されることになり、その後これは 2000 ユーロに増額されたのですが、それでも予約を求める人は後をたたない。罰金ぐらいのリスクはおかしてもいいということなんでしょう。
この歯科医院で受付をやっているロベルタ・バッカリスさんは、昨日 RTE ラジオの電話インタビューに答え、なぜアイルランド人がここで治療を受けたがっているのかわからなかった、と話しています。この歯科医院は特にデンタル・ツーリズムを業態としているわけではなく、アイルランドで広告を打っているわけでもないからです。
あるアイルランド人女性は、酷く歯が痛むので 2 週間後の 2 月 25 日に予約を入れてほしいと言ってきたらしいのですが、そんなに歯が痛かったら近所の歯医者さんにすぐに行ってください、という話です。
バッカリスさんは、「もし本当の患者なら喜んで治療するが、彼らは違う。治療を必要としない人に予約の時間をあげるわけにはいかない。彼らは私たちの時間を無駄にしている」だそうです。ごもっとも。
アイルランドの当局はこの情報を受けて、不要な海外旅行をした人の罰則を罰金から刑事罰にグレードアップすることにしました。刑事罰ですから、実際に牢屋に入れられる可能性もあります。また、犯罪歴もついてしまいます。
この件については、現地の新聞でも記事になったそうです。この歯科医院は、警察に求められれば、アイルランド人で予約した人の情報を提供する用意があるそうです。
私自身は気候のよいところにのんびりホリデーに出かけるという習慣はないので、そこまでしてテネリフェ行きたいか、という気はしますけれども、ロックダウンで家に閉じこもってばかりではやるせないという気持ちはわかります。まあでも、ちょっとみっともないのでもう少し我慢しましょう。