欧州委員会が発表した2021年冬季経済予測によりますと、アイルランドのGDPの2021年の成長率は3.4%、2022年には3.5%と見られています。ユーロ圏全体では、2021年も22年も3.8%ほどと予測されています。
今回の2021年の予測は以前の予測より低いものの、2022年のものは高くなっています。これはワクチンの広がりによりロックダウンが緩和されることの影響を考慮したもの。
アイルランドの2020年の経済は、Civid19やロックダウンがあったにもかかわらず、3%成長しました。これは、EU 全体のマイナス6.8%とは対照的。ちなみにスペインはマイナス11%、ギリシャはマイナス10%だったそうです。
今年はすべてのEU加盟国がプラスの成長率になると見られています。特に後半ですね。ワクチンの接種が進むので。ただし、新しい変異株が出てくるなど、さまざまなリスクが存在することも記されています。
2020年にGDP成長率の点でアイルランドの次によかったのは (それでもマイナスですが)、リトアニア(-0.9%)、ポーランド(-2.8%)、エストニアとスウェーデン(-2.9%)です。
アイルランドの経済がよかった理由ですが、医療機器、製薬、IT関連の多国籍企業による輸出だそうです。
アイルランドで悪影響を受けた業種は、観光宿泊業。前年に比べて70%の落ち込み。アイルランドよりも落ち込みがひどかったのはマルタとギリシャだけです。
今年に入ってロックダウンが強化されたこととイギリスとの貿易の軋轢により、今年のアイルランド経済はあまりよくないスタートを切ったのですが、対英貿易の軋轢に関する落ち込みは以前の予測よりはよくなっているそう。これは、以前の予測は何の取り決めもなくブレグジット移行期間が終わり、貿易に関税がかかるという仮定に基づいていたから。
アイルランド特有のリスクとしては、税金に関する国際的な環境の変化です。これにより、アイルランドで登録した多国籍企業の活動が変化し、GDP成長に影響を与えるというもの。これは、良い方向にも悪い方向にも働きえます。