たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイルランド版2020年流行語大賞 (的なもの)

 

 

先月になりますが、「2020年に私たちが学んだ言葉」という記事がアイリッシュ・タイムズに載っていました。まあ、だから流行語大賞というのがアイルランドにあるわけではありません。はい、すみません。2020年によく使われるようになった言葉、ぐらいの意味です。ほとんどがパンデミック関連ですね。

 

www.irishtimes.com

 

Virus

「昔むかし、ウイルスという単語はコンピューターに関連付けて語られていたものだった。しかし、今年の初め頃から、ウイルスは他の何かを意味するようになった」。うん、そういう見方もできますね (笑)。

 

New Normal

「ニュー・ノーマルはまったくノーマルではない。自宅に閉じ込められ、店は休業し、スーパーの外に列ができた。子供たちは学校や友人から何か月も切り離された。マスクをし、しきりに手を洗った。文化イベントやスポーツ・イベントは開催されず、5km以上自宅から離れることはできない。社会活動はなく、フェスティバルはなく、海外旅行はなく、パーティーはなく、ミサはなく、介護施設を訪ねることもできず、ハグもない。葬式の参列者は少なく、結婚式は延期された。パンデミックに大きな影響を受けなかった人はいない。誰もが元の生活を取り戻したいと思っている。あの貴重な古い普通の生活を」

 

f:id:tarafuku10:20210123014553p:plain

 

Chickpea

「白状しなさい。チックピー買ったでしょ」と記者さんにいきなり叱りつけられましたが、私は買ってません。ほんとうです。自炊はパスタとカレーぐらいしか作らないので。チックピー (ひよこ豆) を使ったレシピがNYタイムズに掲載されて、それがすごい話題になったらしいですね。チックピーの缶詰はトイレット・ペーパーやパスタと共に買い占められて品薄になったとか。NYタイムズは凄くチックピーをグルメフードみたいに持ち上げたらしいんだけど、正直それほどおいしくなかったらしいです。

 

Wet Pubs

「私たちの多くが愛するパブに対する最も不快な表現であり、意味をなさない表現でもある」。そう、Wet Pub って表現はよくわからないんですよね。Wet Pub の反対は Dry Pub ではなくて、Gastro Pub なんです。Dry というのは「アルコールのない」っていう意味があります。Gastro Pub っていうのは Substantial Meal (すぐ下の項参照) を出すパブ。Gastro Pub は軽蔑的な言葉ではない。Wet Pub っていうのは Substantial Mealを出さないパブのことで、特にダブリンの Wet Pub は今年はほとんど営業できなかったんじゃないかな。

 

Substantial Meal

「議論の的になった2つの単語」。Substantial Meal (ちゃんとした食事) を出すパブのみが営業可能となったので、何が Substantial Meal にあたるのかが熱く議論されました。9ユーロ以上の食事というのが基準なんだけど、食事をアウトソースするパブもあったし、食べもしない食事を注文するくらいなら、そのお金を寄付に回します、というパブもあったんだけど、両方ともダメと判断されました。

 

Home Delivery

「小売店は閉まり、高齢者や健康に不安のある人はスーパーマーケットに買い物に行くのを控えたので、ホーム・デリバリーが盛んになった。初期の頃は需要に供給が追い付かない状況だった」

 

Dogs

「楽しいパンデミック期間を過ごした唯一の生き物」。飼い主がいつもそばにいるようになりましたからね。犬を欲しがる人も多くなったそうで、保護施設やブリーダーを訪れる人が増えたそうです。

 

Social Distance

「矛盾語法」。社交的 (Social) といいながら、アンチ・ソーシャルですよね。

 

Zoom

「(2020年の) 3月以前に、Zoom を知っていた人がどれほどいるだろうか?」。3月以降、多くの人が仕事や友人/家族との会話に Zoom を使うようになった。「Zoom を利用する人は、同僚のインテリアのセンスを観察するという楽しみができた」。ニューヨーカー誌の有名記者で、動画会議中にヘンなことしてクビになった人がいるので気を付けましょう。

 

Frontline Workers

「非常に難しい状況において病院や介護施設で働いた人々、そして自宅で療養する人にケアを提供した人々。深い感謝の気持ちを抱く一般の人々から、虹の絵をもらったり、拍手をもらったりしていたが、ほんとうに必要なのは彼らの給料を上げることではないのか」

 

f:id:tarafuku10:20210123014611p:plain

 

Sourdough

パンデミック中はサワードウを使ってのパン作りが流行ったそうですね。パンの膨らみ具合をソーシャル・メディアに載っけたりして楽しむ人が多かったそうです。

 

Pivot

「とても人を苛つかせる言葉。事業の方法を転換する際に使う、ビジネス界の流行語」。レストラン業界は、店内で客に食事を提供する業態から、クリック・アンド・コレクトでテイクアウトを提供する業態に転換 (Pivot) している」とか「ジンの製造業者はハンド・サニタイザーの製造に切り替えて (Pivot)いる」とか「レストランに青果物を提供していた小規模農家は、一般消費者にホーム・デリバリー・ボックスを販売する方向にシフト (Pivot) している」とか「不動産業者は、家を売るために仮想ツアー、3Dマッピング、ドローンなどを活用するようになった」など。

 

Fatigue

「どこにも行かず、誰にも会わず、予定表は真っ白なのに、なぜ疲れるのか? 2020年は心配しどおしの1年だった。身近な人の健康を心配し、収入を心配し、メンタル・ヘルスを心配し、正しい行動ができているか心配し、可能な限り最高の仕事ができているか心配した。まったく終わりが見えない中で」

 

 

f:id:tarafuku10:20210123014531p:plain

 

Tiger King

Netflixパンデミック中にお金儲けできた数少ない会社の1つである」。私は Netflix とかの配信サービスをまったく利用していないのですが、この「Tiger King」という番組、大人気だそうですね。大型のネコ科動物 (トラとかライオン) のコレクターと動物愛護家の戦いの話。実話。愛護家はコレクターを動物虐待と非難し、コレクターは愛護家も実は単なる私設動物園の経営者で、ライバルを蹴落とそうとしているに過ぎない、という。確かに面白そう。

 

WFH

Work From Home (在宅勤務のことですね)。「パンデミック中でも職を失わなかったラッキーな人は、家で働くようになった。キッチン・テーブルや空き部屋が一時的な仕事用に徴発され、それは長期的なものになった。通勤は数キロから数歩になった。靴やビジネス・スーツはオプションになった。職場から離れていても生産性は維持できると社員は信頼された。パンデミックが終わったとき、どのように働くべきかは議論の的となるだろう」

 

Vaccine

「何か月もにわたって、ワクチンはユニコーンのようにマジカルでとらえどころのないものだった。ワクチンはできるのか? できるとすればいつ? 優れた科学者たちの不断の努力によって、少なくとも3種類のワクチンが利用可能になりそうだ (注: 去年の12月の記事なので)。希望の光が見えた。これはいつか終わる。願わくば、私たちが考えるよりも早く終わることを」

 

Kindness

「私たちを救ったのが『親切さ』だ。困難な期間を通して、社会のいたるところで大小の親切さが花開いた。自宅で巣ごもり (cocooning) している高齢の人たちに食事を作って届けた人たち。自己隔離している人の代わりに買い物してあげた人たち。国内に400,000人いるという一人暮らしの人を気にかけて定期的に連絡していた友人たち。数えきれないほどの親切な行為が私たちの生活を支えた。レイト・レイト・トイ・ショーが子供たちのチャリティーのために600万ユーロの寄付金を集められたのも親切さのおかげだ」。

 

アイルランドのメディアは、パンデミックの話でも、こういうポジティブな話で記事を締めるますよね。日本の大手メディアはワクチンの話でも不安を煽ってるみたいですけどねえ。職場で頑張って上機嫌を保って職場の雰囲気を明るくしようとしている人と、不機嫌な顔をして回りをコントロールしようとする人と、どっちが役に立ってるか、っていう話です。

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ