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メイヨー県の田舎町がなぜアイルランドで最も感染率の高い場所になったのか?

 

 

アイリッシュ・タイムズに、メイヨー県の北西部にあるベルマレット (Belmullet) という地域で、クリスマス以降、コロナ感染者が爆発的に増加しているという記事が載っていました。

 

www.irishtimes.com

 

記事にはベルマレットはラウズ県とほぼ同じ大きさで、人口約 12600人と書いてあるので、ベルマレットの町というより、ベルマレットを含むエリス男爵領全体のことを指しているんだと思う。

 

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記事は、現地で GP (かかりつけ医) を開業しているキース・スワニック医師のインタビューから始まります。スワニックさんは医師免許を取ってから 23年になるそうですが、これまでこんなに忙しかったことはないそうです。3人の看護婦で Covid-19 の症状のある人の問い合わせに答えていますが、その数は1日に50~60件。陽性率は現在は50%を切っていますが、それでも非常に高いと。

 

ベルマレットは、感染者数が急激に増えたことで、国内的そして海外でも大きく話題になっているそうです。1月4日から18日までのアイルランド全体の感染率は10万人あたり1334.6人ですが、ベルマレットとその近隣では700人が感染し、10万人あたりの感染率は5556.6人となります。

 

ケヴィン・ヘガティー神父によれば、「地域全体に静かな恐怖が忍びよっている。次に発生するのはどこだ? 私や家族が感染したら、また元気になれるだろうか? などと考えている」。

 

ケヴィン神父は先週、中学校の元校長先生のパディー・コンロイさんや農家のピーター・ゴーアン人の葬式を取り仕切りました。2人ともコロナ感染者で80代でした。しかし、元看護婦のバーニー・アンドリューさんが自宅で亡くなったとき、地域は震え上がりました。アンドリューさんは既往症があったとはいえ、57歳だったからです。

 

 

なぜこんな田舎でコロナ感染が爆発したのか? はっきりしたことは言えないが、地元の医療関係者は 3 つの要因を上げます。

 

1つはメイヨー県のゲーリック・フットボール代表が全国選手権の決勝まで進出したこと (決勝でダブリンに敗れる)。決勝が行われたのが12月19日。人々は試合を観るために友人の家やパブに集まったのではないか。2つ目はクリスマスにUKから帰省した人も多かった。そして、第三にクリスマスを祝うと心に決めていた人がそれを実行した。

 

スワニック医師「広い地域ではあるが、開いているホテルやレストランは少ない。多くの人がそういう場に集まった」

 

たとえば、地元の人の話によれば、12月26日に何百人もの人が街なかに集まったといいます。

 

警察は、町で最大のホテルであるブロードヘヴン・ベイ・ホテルに26・27日に2度パトロールに行ったといいます。ホテルのオーナーによれば、他の年に比べれば静かだったそうで、噂は不正確だと主張しています。

 

ある医療関係者によると、あるホテルにはお酒を飲む人たちが集まり、部屋にチェックインして友人とパーティー的なことをしていた人もいた。4~500が集まっていて、バーもロビーもレストラン満杯。マスクをしている人は少なかった。スタッフは人手不足でそうすることもできなかった。警察が来て人々を帰らせたが、部屋をとった人にはどうすることもできなかったそうです。

 

地元で事業 (ホスピタリティ業界ではない) を営む匿名の人によると、「スタッフは客を入れないようにしていたのだが、窓から入ってくる人や、外にいる人に窓から酒を渡す人もいた」。

 

ゴルウェーで開業する GP で、ベルマレット地域にも詳しいマーティン・ディリー医師「ベルマレットのような地方のコミュニティーでなぜ飛びぬけて感染率が高かったのか。他の地域で同じ問題が起きないように、原因を究明しなければならない」

 

ヘガティー神父「ウイルスはコミュニティー意識を壊してしまった。人々は一体感が失われたことを寂しく思っている。自分や家族がウイルスに感染したせいで打ちひしがれた人が多くいる。死者がこれからも増えることを私は恐れている」

 

 

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