2020年6月16日のアイリッシュ・タイムズ紙に、ウイスキー担当記者のジョン・ウイルソン氏が新しい5つのアイリッシュ・ウイスキーを試飲する記事 が掲載されていたのでご紹介します。
(翻訳ここから)
新しいアイリッシュ・ウイスキーを試飲する: ドラムシャンボ、ティーリング、スリーヴ・リーグ、グレース・オマリー
文: ジョン・ウイルソン
2020年6月16日
「なにからなにまですべての作業を自分たちでやった。最初から最後までドラムシャンボ (訳注: リートリム県の小さな村) にあるザ・シェッド蒸留所でやり遂げた。プロジェクトを開始してから7年、蒸留を始めてから5年かかった」とパット・リグニー氏は言う。
ドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル・アイリッシュ・ウイスキーは、同社の将来の主力商品となる予定だが、さまざまなブレンドを試してみる余地もまだある。
「私たちが望む品質のシングル・ポット・スティルを作るには、もう少し時間が必要だ。あと4年半か5年くらい。この新製品は、カラーリングなしのノンチルフィルタード。熟成は主にバーボン樽で行われているが、オロロソ樽で熟成した原酒も一部使用されている」
ドラムシャンボ (Drumshanbo) (€60) は優雅なウイスキーで、クリーミーな舌触り、豊かなスパイス、焦げた木とほのかなイチジクの香りが特徴。
ティーリング は2つの新製品をリリースした。28年ヴィンテージ・リザーヴ・カスクとブラバゾン・シリーズ・スリーである。ブラバゾン (€95) は14年モノのシングル・モルトで、年季の入った非常に古いいペドロ・ヒメネス・ワイン樽で3年間熟成されている。強烈なレーズン、イチジク、糖蜜、タバコのフレーバーを持つパワフルなウイスキー (アルコール分49.5%) である。28年モノのウイスキー (€500) は4000本生産される。これは、ワールド・ウイスキーズ・アワードで世界最優秀シングル・モルト賞に輝いた24年ヴィンテージ・リザーヴ・カスクの続編となる製品である。最後の8年はソーテルヌ・ワイン樽で熟成されており、蜂の巣、熟れた果実、スモークが力強く匂い立つ。蒸留責任者のアレックス・チャスコによれば、「腕の毛が逆立つようなウイスキー」だそうだ。
ドネゴール県のスリーヴ・リーグ蒸留所 (Sliabh Liag Distillers) は、ピート香がきいたスモーキーなウイスキー、レジェンダリー・ダーク・シルキー (€42) をリリースした。甘くスモーキーなピートとダーク・チョコレートが色濃く漂う、まろやかで心が温まるようなウイスキーである。
最後に、グレース・オマリー (Grace O’Malley) から新しく限定発売されるのは、ラム・カスク・アイリッシュ・ウイスキー (€65)。円熟した甘いトロピカル・フルーツと、ほんのりとしたバニラ・スパイスがの香りが心地よく調和している。
ここで紹介したウイスキーはすべて、専門店、製造元のオンライン・ショップ、celticwhiskey.com、irishmalts.com、wineonline.ie で購入できる。
(翻訳ここまで)
ドラムシャンボのザ・シェッド蒸留所は、これまでガンパウダー・アイリッシュ・ジンというジンを製造販売していたのですが、ここにきて初めてウイスキーを市場に出せるようになりました。それが、今回紹介されたドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル・アイリッシュ・ウイスキーです。
スリーヴ・リーグ蒸留所の名前の由来はドネゴール県の大西洋沿いにある山の名前。スリーヴ (sliabh) はアイルランド語で「山」の意。
グレース・オマリーは、16世紀アイルランドの実在の人物で、豪傑として知られる女族長です。
上列左から: ドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル、スリーヴ・リーグ・レジェンダリー・ダーク・シルキー、グレース・オマリー・ラム・カスク