ドラムシャンボ・ガンパウダー・アイリッシュ・ジンを製造しているリートリム県のシェッド蒸留所は、パンデミックにもかかわらず、2020年の売り上げが過去最高の約 1,000 万ユーロを記録したという記事。2021年5月31日付けのアイリッシュ・タイムズ。
シェッド蒸留所は飲料業界のベテラン、パット・リグニーが設立した会社。ちなみに前年の売り上げは800万ユーロ。税引前利益は193万ユーロに若干上昇しました。
シェッド蒸留所は、パンデミックによる旅行客の減少という逆境にもめげず、昨年 9 月にビジター・センターをオープンしました。しかし、ロックダウンにより 4 週間だけ稼働しただけで休業を余儀なくされていました。
そのビジター・センターもまもなく営業を再開。2023年には年間30,000人の訪問を目標としています。これにより、地域に約 300万ドルの経済効果があるとリグニー氏は見ています。また、現在の75人のスタッフに加え、新たに25人を雇用する予定だそうです。
シェッド蒸留所のメインの製品はやはりガンパウダー・ジン。昨年は180,000ケース (1ケースは9リットル換算) を出荷したそうです。昨年初めてシングルモルト・ウイスキーをリリースしたほか、ソーセージ・ツリー・ウォッカというウォッカ製品も所有しています。
ここから先は余談になりますが、シェッド蒸留所のあるドラムシャンボの街では、アン・トスタル (An Tóstal) というフェスティバルが毎年行われています。An Tóstal の意味は日本語では「集い」です。
これはもともと1950年代にアイルランド各地で数回開かれたフェスティバルです。アイルランドの暮らし/生き方を祝福するイベントだったそうです。アイルランドの観光庁が音頭を取って、海外で暮らすアイルランド移民を観光客として呼び込む目論見があったみたいです。
このイベントは50年代の終わりにはほぼ消えてしまったのですが、1か所だけ残っているのが、ここドラムシャンボです。1週間の開催期間中は、音楽、釣りとアートのワークショップ、詩の朗読、テーブルクイズなどが行われているそうです。