たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ジェムソン蒸留所ボウ・ストリート (旧称: オールド・ジェムソン蒸留所)

以前はオールド・ジェムソン蒸留所(Old Jameson Distillery)と言っていたんだけど、改装して2年前に再オープンしてからは、ジェムソン蒸留所ボウ・ストリート (Jameson Distillery Bow Street)と呼んでいるみたいですね。

 

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ちなみにジェムソンの正式な表記は「ジェイムソン」ではなく「ジェムソン」です。英語でもアメリカ風に「ジェイムソン」のように読むのではなく、「ジェムソン」にこだわっている。以前ツアーに参加したときに、アメリカ人のお客さんがガイドさんに質問してて、ガイドさんがそんな風に答えていた。

 

さて、再オープンしてから私は既に1回行ったんだけど、ブログに書こうと思ったので今日もう一度行ってきました。ここは私のアパートから歩いて2分の場所にあります。

 

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ご存じのように、1970年代に蒸留所としての役目は終えており、ここでウィスキーは製造されていません。したがって現在は純粋に観光客向けのミュージアムということになります。ダブリンにはティーリング蒸留所やピアース・ライオンズ蒸留所など、稼働している製造工程を見学できるところもあります。しかし、いかめしい当時の建物がそのまま使われているジェムソン蒸留所ボウ・ストリートは、ダブリンのウィスキー作りの伝統を最も体感できるところかもしれません。煙突なんかもそのまま残ってますし。

 

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さて、見学ツアーですが、15分ごとのスタートとなります。土曜の午後だったのですが、ほぼ待つことなく参加することができました。1回のツアーの参加者は30人くらい。アメリカやヨーロッパからの旅行者が主ですが、アイルランド人ももちろんいます。

 

最初に入った場所にはジェムソン・ウィスキーの歴史がパネル展示されています。ただし、ここはガイドさんが来るのを待つための部屋らしくて、ガイドさんがすぐに来たのでパネルを読む時間はほとんどありませんでした。ガイドさんは、ざっくばらんな語り口が持ち味のアイリッシュのお兄さんです。

 

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ガイドさんに導かれて次の部屋に入ります。ここからがツアーとなるので、ここが最初の部屋ということにさせていただきます。ここでは映像を見ながらジェムソンの歴史を学ぶのですが、新しいなと思ったのは、お客さんが囲んだ中央のテーブルに映像が映し出されるのです。映画館みたいに前の画面を見るよりも、ずっと親密な感じがします。

 

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次の部屋では、前面のパネルでウィスキーの製造工程を学びつつ、テーブルにある仕掛けでいろいろインタラクティブに遊べます。バーボンのバレルとシェリーのバレルの香りを嗅いだり、発芽した(Malted)大麦を味わったり(Unmaltedの大麦は固いので食べたらダメ!)、ポットスティルとコラムスティルで蒸留したウィスキーの香りを比べたりとかです。

 

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第3の部屋はいよいよウィスキーの飲み比べです。ジェムソン・ウィスキー、スコッチ・ウィスキー、バーボン・ウィスキーをティスティングします。ジェムソンはまろやか、スコッチは煙くさい、バーボンはスパイシーみたいな。

 

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ツアーは以上ですが、チケットの半券をバーに持っていくと、1杯無料で飲むことができます。私はソーダ割りをいただきました。

 

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私の印象はですねえ、ほんとによく考えられた観光アトラクションだなあということです。所要時間は40分。歴史・製造法・ティスティングの3部構成でコンパクトにまとめられていて、間延びするところがないんですね。これには、ストーリーテラーと呼ぶにふさわしいガイドさんの話術も大きく貢献していると思います。照明などの雰囲気づくりも抜かりありません。40分だと短いと感じられるかもしれませんが、物足りない感じはしません。

 

これって、時間がかかり過ぎてもよくないと思うんですね。観光客はほかの観光地もいろいろ回りたいわけで、ジェムソンが終わったらギネス博物館行って、ケルズの書も見たいしなんて思ってるわけですから。長居したければ、1階のバーでゆっくりすることもできます。

 

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入場料は22ユーロ(学生と65歳以上は18ユーロ)。私はちょうどいいお値段だと思います。もちろんジェムソンの企業イメージ向上・商品プロモーションという一面もあるわけですが、観光地である以上、きっちりお金をとって、内容も充実させる、というのが正しい観光施設の在り方だと思うわけです。そうしないと、いくらインバウンドで海外から人がきても、経済的効果につながらないということになりますから。

 

私、日本の蒸留所もいくつか回ったんですが、サントリーさんは1000円。ニッカさんとキリンさんは無料でした。工場見学がメインの目的とはいえ、ガイドさんもいて、ビデオや展示も用意されているのですから、最低でも1000円ぐらいは取ってもいいのではないかなと思いました。

 

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上の写真の左手に見えるのがジェムソンの煙突です。20年ほど前にてっぺんに展望台を作り、観光客がダブリンのパノラマビューを楽しめるようにしたのですが、安全性の問題から数年で閉鎖されてしまいました。ところが、実は私も今日気付いたのですが、いつのまにか再オープンしていて、3ユーロで上に登れるとのこと。そばのGeneratorというホステルのレセプションでその場で申し込めばOK。今度、私も登ってレポートしたいと思います。