日本人への販売を目的として初めて輸入されたウィスキーは、1871 年に横浜山下町のカルノー商会が持ち込んだ猫印ウィスキーであるというのが定説です。
そして、この猫印ウィスキーというのは、アイリッシュ・ウィスキーのバークス (Burke's) なのではないかと言われています。
そのあたりについては、こちらの方のブログで詳細に検証されています。
https://ameblo.jp/saglasie/entry-12225478425.html
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バークス・ウィスキーのトレードマークはこんな感じです。
猫印のところだけ拡大しますね。
バークス・ウィスキーは、E&J Burke 社というエドワードとジョンのバーク兄弟が創った会社が生産していました。この 2 人は、ギネスの創設者であるアーサー・ギネスの孫で、アメリカでのギネスの独占販売権を取得するなど、アルコール飲料事業を手広く営んでいました。
彼らは、自社で蒸留所を構えていたのではなく、よその蒸留所からウィスキーを買ってきてブレンドして販売するタイプの事業者だったようです。
バークス・ウイスキーがいつ頃まで販売されていたのかは分からなかったのですが、会社自体は創業が 1848 年、廃業が 1953 年です。アメリカの禁酒法やら何やらで、20 世紀半ばまでにアイリッシュ・ウィスキーは壊滅的な打撃を受けて、数多くのブランドが市場から退場したのですが、Burke's もその中の 1 つだったようです。
ところが、この Burke's ブランドが今年になって復活したのです。復活させたのは、新興の独立系蒸留所であるグレート・ノーザン・ディスティラリー。限定生産の 14 年モノと 15 年モノのシングル・カスク・ウィスキーが、ダブリンにある Celtic Whiskey Shop というウィスキー専門店でのみ購入できます。お値段は 135 ユーロと 132 ユーロ。1 万 7 ~ 8 千円ですから、高級品の部類ですね。
いま、アイルランドは、政府の振興策もあって、小さな蒸留所がいくつもできています。2016 年 11 月の調べで、稼働中の蒸留所はアイルランド島全体で 16 あり、建設中/計画段階の蒸留所も 10 以上あります。グレート・ノーザン・ディスティラリーは、ティーリング蒸留所のティーリング一族が中心になって設立した蒸留所で、北アイルランドとのボーダーに近いダンドーク (Dundalk) という街にあります。
復活したバークス・ウィスキー、ちょっとお値段が張りますが、日本と縁のあるウィスキーということで、お土産にいいかもしれません。