しばらく前になりますが、富岡製糸場の世界遺産登録が決まりましたね。おめでとうございます。
それでですね、富岡なんかで作られたシルクはどうなったかと言いますと、横浜まで運ばれて輸出されていたのです。生産地から横浜へ運ぶ道は「日本のシルクロード」なんて呼ばれてたんですね。町田街道とかです。
私が横浜に滞在していたとき (4 ~ 6 月)、シルク博物館、県立歴史博物館、横浜開港資料館という 3 つの施設で、「横浜絹回廊」と題して特別企画展をやってました。
なんか、もう終わった企画なので申し訳ないんですが、ずっと書こうと思ってたので、これから 3 回に分けて書いちゃいます。
まず、シルク博物館は「世界に羽ばたいたスカーフたち」という展示です。スカーフは横浜の伝統産業のひとつで、生産高が世界一だったこともあるそうです。昨年、大量のデッドストックのスカーフが寄贈されて、その一部が展示されたということです。
シルク博物館は、シルクセンターというビルの中にあります。このビルは由緒のある建物でありまして、昔は生糸の先物取引所も入ってたんですね。生糸の先物取引所なんてものが昔はあったのですよ。
実は私、横浜で勤めていたとき、事務所がこのビルに入っていたので 2 年ほどここに通っていました。思い出の場所です。そのときもシルク博物館あったんだけど、入ったことなかったです。
最初は常設展を見ていきます。まず目に入るのが機織り機です。当時のものかレプリカなのか聞くの忘れましたが、年代物っぽいです。これ、実際に体験できます。私も実際に座って動かしてみました。照れくさかったです。
足で縦糸を操作して、下の写真のシャトルを使って横糸を通します。「シャトルバス」なんかの「シャトル」という言葉はここから来てるんですね。ちなみに豊田自動織機のラグビーチームの愛称はシャトルズです。
シルクの特性やカイコの生態などに関する科学的なパネル展示があります。シルクは繊維の女王と呼ばれておりまして、その特徴は、着心地の良さ、鮮やかな色彩、優美な光沢だそうです。
それから繭を使って工作しよう! のコーナー。子供たちに興味を持ってもらうのも重要なことだと思います。
ちなみに、1 本のネクタイを作るのに繭は約 140 個、スカーフなら 110 個、着物なら 9000 個必要なのだそうです。
スカーフ展の方は撮影が禁止でしたので写真はありません。ごめんなさい。いろんな趣向を凝らした意匠のスカーフが数十枚展示されていました。
上の階に上がると、シルクで作った各国の民族衣装の展示。ラオス、ガーナ、インド、ミャンマー、ウズベキスタン、ベトナム、カンボジアなど。それから、平安時代ぐらい (だったと思う) から現代までの、日本の絹の衣類の展示です。
入場料 500 円にしては、とても見応えのある展示でした。
いまはどこにでもゆるキャラいますね。シルク博物館のゆるキャラ、「まゆるん」です。
次回は横浜開港資料館の「蚕の化せし、金貨なり」展について書きます。