横浜絹回廊の第二弾は、横浜開港資料館の「蚕の化せし金貨なり」と題された展示です。シルク博物館は、蚕の生態とかシルクという生地の特徴とか、養蚕業・製糸業といった、いわゆる第一次産業と第二次産業に的を絞った展示でしたが、こちらはシルクの流通・販売方面に重点を置いたもので、そこから派生した金融業や情報産業なんかにも触れていました。
常設展が一部屋と、特別展が一部屋という、こじんまりとした内容だったんですけど、正直、私はこの催しものが一番楽しめました。
常設展の方も、五か国と結んだ通商条約の版本とかあって興味深かったんですが、特別展の方は当時の資料・解説の内容ともに充実していました。
明治から大正にかけて、生糸は日本の重要な外貨獲得源でした。関東大震災ぐらいまで、絹はほぼすべて横浜港から輸出されていました。それで、欲と欲、野心と野心がぶつかりあったうねりの中から、いろんな産業が発展していったんすね。
横浜の売込み商 (卸問屋みたいなもの) と外国商館の攻防とか、横浜に独占させていると旨みがないので神戸から輸出しようとする人がでてきたりとか、資金融通のための銀行設立とか、市況を生産者に伝えて生産の判断材料としてもらうための情報業とかです。
国の取り組みとか (今でいう、国を挙げての『Cool Japan』を思い出しました)、地域ブランド化とか、今でもやってることを、明治の昔からやってたんだなあと、感心したのでありました。
帰りに敷地内のカフェ「Au jardin de Perry」でチーズトースト食べて帰りました。カフェの名前は「ペリーさんの庭で」という意味だって。ペリーさんは黒船に乗ってやってきたあの人。
横浜開港資料館は山下公園の近く、大桟橋に入る交差点のあたりにあります。開港記念会館ってのも別にあるので、そっちと間違えないでくださいね。