「いるかホテル」と言えば、村上春樹の小説のファンの方にはお馴染みですね。「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」に登場した札幌のホテルです。
ダブリンにも「いるかホテル」があります。というか、ありました。今は廃業してしまって、建物には裁判所なんかが入っています。場所はテンプル・バーのクラレンス・ホテルの裏あたり。

いつ頃、営業をやめたのかはちょっとわかりません。以下のリンクによると、1951 年には営業していたことがわかります。
http://www.scripophily.net/dohoandrecoa.html
http://www.scripophily.net/dohoandrecoa.html
かなり有名なホテルだったらしい。面白いのは、上のリンクに書いてあるけど、アイリッシュ・コーヒーの発祥地はこのホテルのバーだったかもしれないという話。
定説では、アイリッシュ・コーヒーはアイルランド西部のシャノン空港のバーで 1940 年代に生まれたということになっています。
しかし、2006 年 3 月のウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、ハーバード大の教授だったケラハーさんという人が第二次世界大戦終戦直後にダブリンに行ったとき、地元の友人たちにドルフィン・ホテルのバーに連れていかれ、ここがアイリッシュ・コーヒーの生まれた場所だと言われたとか。
お酒じゃないとごまかすために、コーヒーにウィスキーを入れて飲んでいたらしい。いわゆるアイリッシュ・コーヒーの特徴は、クリームの白い泡がのってること。ドルフィン・ホテルのバーで出してたアイリッシュ・コーヒーにもクリームをのせてたんだろうか。単にコーヒーとウィスキーを混ぜただけなら、今のアイリッシュ・コーヒーとは違うし、そのあたりが知りたいです。
あとは、Dolphin Hotel って書いてあるんだけど、もしかしたらイルカのことじゃないかもしれない。Dolphin Fish って呼ばれる魚がいて、日本語では「シイラ」っていうらしいんだけど、そっちのことかもしれない。

建物の入り口に飾られている、これは何て言ったらいいんだろう、なんか特別な言い方があると思うんだけど、まあいいや、装飾品。これ見ると、イルカっていうより魚ですよね。
「羊をめぐる冒険」では、確か、いるかホテルは看板がなければホテルとは気づかないような建物で、「ダンス・ダンス・ダンス」では名前だけ残してとても近代的なホテルになっていたのでした。
ダブリンのいるかホテルはこんな感じ。

1896 年の建立らしいから、ビクトリア朝か。いかにもホテルといった威厳のある佇まいだけど、モダンでもない。だから、村上さんの小説に登場するホテルとは明らかに違うんだけど、どこかに羊男が潜んでいそうな雰囲気ではある。
