しばらく前になりますが、ダブリンのリバティーズ地区にまた新しい蒸留所ができました。その名もロウ & コ蒸留所です (Roe & Co Distillery)。オープンは2019年の夏の終わり。蒸留所見学ツアーもあるので、私もさっそく9月のはじめに行ってきました。(ブログに書くのが遅くなってすみません)。
25ユーロでチケットを買って、ショップ兼バー/カフェみたいなスペースで時間が来るまで待ちます。
この蒸留所はギネスビールの工場のすぐそばにあって、建物自体は元々はギネス工場用の発電所でした。その務めを終えたあと、しばらく廃屋になっていたのですが、ギネスの親会社であるディアジオが2,500万ユーロを投資したことにより、蒸留所として生まれ変わったのです。
ツアーが始まります。平日の夕方だったのですが、私以外の見学者は8人ほど。全員がアイルランド人でした。2階に上る階段のところでガイドさんの説明を聞きます。下の写真にあるように、階段の壁にはアイリッシュ・ウイスキーの歴史が書いてあります。
次は渡り廊下の上から、実際に稼働している蒸留過程を見ることができます。アイリッシュ・ウィスキーは伝統的に3回蒸留すると言われますから、ここにも3つ蒸留器がありますね。
次は、Room 106 という部屋に入ります。
106というのは、最終的に商品を完成させるまでに試したサンプル・ブレンドの数だそうです。ここでは、実際のウイスキーを味見しながら、原料や作り方などについて説明を受けます。
次の部屋は Flavours Room という名前なのですが、ここがこの蒸留所のツアーのユニークなところになります。好みに合わせて自分でカクテルを作りましょう、という趣向なのです。
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の中から1つを選び、ロー&コ・ウイスキーをベースにして作るのです。私はカクテルを作るのも初めてだし、メジャー・カップを触るのすら初めてじゃないかな。おもしろかったです。
最後はバーでのんびりワン・ドリンク。せっかくなので私はカクテルをいただきました。
この見学ツアーの特徴は、カクテルに重点を置いていることや、バー/ショップの内装からもわかるように、若い男女をターゲットとしていることです。ウイスキーと言うと、渋めの男性がロック・水割り・ストレートで飲んているという印象が強いと思いますが、そういうのとは差別化しますよ、ということなのでしょう。ボトルのデザインにもその意思は表れているように思います。
ロウ (Roe) という名前は、かつてこのあたりでトーマス・ストリート蒸留所を経営していたロウ一族にちなむものです。全盛期にはダブリン最大の生産量を誇った蒸留所だったのですが、残念ながら1920年代に財政難から操業をストップしてしまいました。
私は1人で行ったのですが、カクテルを作るときにわいわいできるので、お友達と出かけた方が楽しいと思います。いまウェブページを調べてみたら、時間帯によっては、17ユーロで入場できるようです。
リバティーズ地区の蒸留所は、ティーリング蒸留所、ピアース・ライオンズ蒸留所、ダブリン・リバティーズ蒸留所に加え、これで4つになりました。