たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

Arthur’s Day のパーティーに参加できなかった人

先週の木曜日は、ギネスビールの誕生 250 周年を記念するアーサーズ・デイ (Arthur’s Day) でした。アーサーさんというのは、ギネスの生みの親であるアーサー・ギネスさんのことです。ちょうど旅行から帰ってくる日だったので、私は乗り遅れたのですが、アイルランドはもとよりいろんな場所でいろんなイベントが繰り広げられたらしいです。

 

 

アイルランドに長く住んでいる人なら、90 年代にとても流行ったこのテレビ・コマーシャルを覚えていると思います。ギネスはスタウトビールですから、2度注ぎします。つまり、まず 8 分目ぐらいまで注いで、泡が落ち着くのを待って、その後もう一度注ぐわけです。すぐに飲みたいときなんかは、この待つ時間がとてもじれったいのですよね。このコマーシャルでは、一人の若い男がダンスでそのじれったさを表現してくれています。

 

このダンシング・マンを演じたのは、ジョー・マキニー (Joe McKinney) というダブリン出身の無名の俳優で、当時 27 歳。この CM のおかげで彼は一躍有名になりました。大好評だった CM はヨーロッパの他の国でも放映され、彼はいろんな場所に呼ばれてダンスを踊り、ローラーコースターのような喧噪の中で数年間を過ごしたそうです。

 

しかしそのお祭り騒ぎも長くは続かず、俳優としてのキャリアも暗礁に乗り上げます。ギネスのイメージが強すぎるので役をくれないのです。CM が放映されなかったアメリカに渡ってチャンスをつかもうともしたんですがうまくいかず、彼は今もダブリンで俳優業を細々と営んでいます。

 

で、今回の Arthur’s Day なんですが、あれほどギネスの売上に貢献したわけですから、なんらかのイベントにお呼びがかかるかなーと思っていたそうなんですが、ギネスの会社は彼もどこにも招待してはくれませんでした。もしかしたら、最後になって緊急出演依頼が来るかもしれないと思って家で電話を待っていたんですが、電話のベルは最後まで鳴ることはなく、マキニーさんは淋しい Arthur’s Day を過ごしたそうです。

 

てな話が 27 日付の Sunday Tribune 紙に載っていました。

 

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