たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

村上春樹

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村上春樹の『What I Talk About When I Talk About Running』のペーパーバック版が出たので買ってきて読んでる。走ることをテーマに書かれたエッセー集です。日本語でも読んだんだけど、村上さんに負けないシリアス・ランナーの友人にあげてしまったので。

村上春樹の本は英語で読んでも語り口が同じで、あ、これは村上さんが書いたなー、と思いながら読める。このことをこちらの大学院で英文学を研究していた友だちに話したら、「村上春樹は翻訳文体だから」と一蹴された。前のフラットメートの北アイルランドの人も読んでて、その人は「すっげーJapanese」と言っていた。でもたぶんそれは語り口がということではなくて、主人公の行動とかモノの考え方が、っていうことなんでしょう。

ただ、語り口は同じでも、響き方はまったく違う。日本語で読むと口あたりのいい言い回しや文章のリズムに乗せられていい気持ちになる。心に響くのです。ところが英語で読むと文章のかっちりした組み立ての方がキャラ立ちしてて、考えさせられちゃうことが多い。頭に響くのです。英語は絶対自分の脳のロジックを司る部分に入ってると思う。

前に聞いた話で、アイルランド人のおばあさんが脳梗塞だかで倒れて、命はとりとめたんだけど言語障害が残ったと。ただ、ダメになったのはネイティブのアイルランド語の方だけで、後で覚えた英語の方はまったく問題がなかったとか (逆だったかも)。だから、外国語を習得しとくと、言語障害になったときのフェイルオーバーとしても機能すると。しかし、英語勉強する時間考えたら非常にコストのかかるフェイルオーバーシステムですね。