うちの近所のスミスフィールドの広場では毎月第一日曜日に馬の市が開かれます。今月は昨日の 6 日がそうだったんだけど、なんだか発砲事件があったらしくて、2 人が銃で撃たれてケガしたらしい。オファリー県のもともと仲の悪い 2 つの家族が喧嘩したんだとか。
今日の新聞にも大きく取り上げられていたんだけど、私の知らなかった馬の市の歴史ことをいろいろ書いてあった。
スミスフィールドは 16 世紀半ばくらいからマーケットの立つ場所として知られていて、その頃、主に売買されていたのは牛やまぐさで、馬はときどき売買されるくらいだった。19 世紀の終わりくらいから馬も普通に売られるようになったのだが、馬の市が現在のような形になったのは 1960 年代の初めらしい。
この馬の市はとても有名で、アイルランド全国はもとよりスコットランドなんかからも業者がやってくるとのこと。
驚かされるのは、この市を統括する団体みたいなのがあるわけではなく、この場所を使う許可を取って開催しているわけではないということ。第一日曜日になると、誰に組織されるわけでもなくみんなが集まってきて馬を売買する。そういう自然発生的な市なわけです。
この広場を管理するダブリン市役所は実は 2002 年にこのマーケットを一時的に禁止したんだけど、馬の業者さんたちは「地面の上で売買してもよいという古くからの商業権」を主張して (どういう根拠によるものなのか私には不明)、馬の市は続いている。市役所はこのスミスフィールド広場におけるこの権利を抹消しようと政府に働きかけているが、進展はない。
新聞では動物愛護協会みたいなところの代表者もインタビューに答えていて、「今回の犯罪行為や暴力はこの馬の市を禁止する必要性を明確に示した」などと言っている。馬の業者さんの方は、こんなことが起こったのは初めてであって、一部の人が間違いを起こしたからといって、それを理由に禁止することはできない、みたいなことを言っている。
私自身は、この馬の市がスミスフィールドの個性になってると思うし、伝統はリスペクトしたいという気持ちもあるんだけど、新しい住民の中には反対派の人もいるらしい。
とにかく、馬の市の日は動物のにおいがすごいんですよ。う○こがそこらじゅうにおちている。広場に面してスーパーがあるんだけど、う○こを踏んだ足で店内歩きまわるから、生鮮食料品売り場もう○こ臭くなる。今日も、私のアパートの玄関の前にう○こが落ちてる状態なんですけどね。翌日、市役所が手配した清掃業者が掃除しにくるんだけど、だいたい 1500 から 1800 ユーロかかるらしい。
(写真上: 発砲のあと、逃げ惑う人々)
(写真下: 撃たれた少年と付き添う警官)
Irish Times 紙から。
(写真下: 撃たれた少年と付き添う警官)
Irish Times 紙から。