たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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日本 0-0 (PK 3-5) パラグアイ

日本代表、惜しかったですね。残念ながら PK 戦で敗退しました。

 

昨日も Fitzsimons パブに集まって応援しました。最初は静かに見てたんだけど、後半、延長戦、PK 戦と、試合が進むにつれて、パブの中も熱気を増していった。敗退が決まった直後に、ニッポンコールで会場を盛り上げてくれた若い男性の方、ありがとうございました。

 

今回も、カメルーン戦やオランダ戦と同様に守備的な戦い。相手のパラグアイも同様に堅守のチームなので、お互いにいいところを消し合うような試合展開になりました。時間が進むにつれて、1点の重みが増してくるので、リスクを避けて、ますます泥仕合の様相を呈しました。

 

中立的なお客さんには面白くないゲームだったと思いますが、当事者のサポーターにとっては手に汗握る我慢大会。ある意味、サッカーのひとつの醍醐味を味わえたと思います。

 

思えば、日本代表はほんの一カ月前に戦術を大幅に変更したばかり。岡田監督は、ワールドカップのメンバーを選出した時点でも、中村俊輔選手や遠藤選手を中心とした、パスを回してボールを保持して、みたいなサッカーを目指していたはずです。

 

それが、親善試合のセルビア戦に続いて韓国戦でも結果を出せず、続くイングランド戦で中村俊選手をスタメンから外し、中盤の底に守備を専門とする阿部選手を配置し、堅守速攻の戦術を採用してようやくチームとして形を成しかけました。岡田監督は、最後の最後でよく決断したなーと思います。

 

本番では、ぶっつけ本番で MF の本田選手をアタッカーとしてワントップで起用。私は、そんな無茶な、と思ったんですが、ご存じのように本田選手が大活躍。

 

これまでは、日本が世界レベルで戦うときは、しっかり守ってカウンターしかないでしょう、などと言うと、日本には守備の文化がないから向いてないなどと反論されていたのですが、今大会では強豪と 4 試合戦って 2 失点。能力の点でも意識の点でも、しっかり守ることができるくらいに日本のサッカーも成熟してきたと思います。

 

成熟といえば、なんだか今回の日本は緩急の付け方がとても巧みだった。一昔前までは、日本はいつも 100% で戦ってる印象でした。ちょうど、今回の北朝鮮みたいに。でも、力を抜くときは抜いて、ここぞというところで全力で行く、みたいなことができるようになった気がします。

 

守備の方では収穫がありましたけど、攻撃の方はまだまだです。しかし、急造のワントップ。交代選手にも、松井選手、大久保選手に代わる選手とか、流れを代えられる選手を連れてきてなかったので、さすがにそこまでは勝利の女神さまも面倒みてはくれなかった。

 

最後は駒野選手が PK を外して決着が付きましたが、PK は時の運。今日の世界中の新聞には駒野選手の名前と写真であふれかえっていますよ。おいしーなー、ぐらいに思って、今後も頑張ってほしいです。

 

昨日の夜の RTE のハイライト。解説のリチャード・サドリアーは、「日本は 4 試合とも同じスタメンなんだけど、こういう大会ではこれはとても珍しいこと。試合の途中で日本の選手は疲れ果てていた」。

 

今日のアイリッシュ・タイムズ紙。「恐怖が両チームの活気を押し殺した」という見出し。点を取られることを恐れすぎて、生き生きとしたプレーができなかった、ぐらいの意味でしょうか。

 

記事を書いたエメット・マローン記者は、「長友はセットプレーでは空中戦に強く、日本にとって攻撃の脅威となっていた。今回の敗退の本当の理由は、駒野の PK の失敗ではなく、攻撃の積極性のなさに求められるべきだろう」と書いています。
http://www.irishtimes.com/newspaper/sport/2010/0630/1224273622040.html

 

今回の試合は、scrappy (華のない) とか、dull (退屈な) とか、dire (陰鬱な) とかいう形容詞を付けて語られてるんだけど、あまり気にはならないですね。日本もやっと強豪相手に相手の良さを消してそういう試合に持ち込めるようになったってことですから。もちろん、これからは、それに加えて、リスクを冒して点を取る能力が求められるようになると思います。

 

とにかく、今回のワールドカップは本当に楽しませてもらいました。日本代表の成熟ぶりも確認できたし、そこそこの結果も得られたし、デンマーク戦などは試合内容まで褒められる始末。日本人に生まれてよかったなーと思うことができました。岡田監督、そして選手の皆さんには、お疲れさまでした、と言いたいです。

 

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