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サッカー日本代表、アジアカップで決勝トーナメント進出

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今、サッカーのアジアカップが行われています。アジアで最も重要なサッカーの大会なんですが、日本代表は2勝1分でグループステージを1位で通過。次の準々決勝でカタールと戦います。

 

今回の大会はハイライトぐらいしかみてないけど、日本はほんとに強くなったなーと思います。

 

強いチームというとき、圧倒的な力の差を見せて勝ち切っちゃうっていうのがひとつあると思いますけど、それとは別に、調子がよくなくてもしぶとく負けないみたいな強さもあります。日本はこれができるようになった。

 

今回も、J リーグ所属の選手は休み明けだし、センターバックは今野・吉田両選手の急造コンビだしで、万全の体制ではなかったんだけど、初戦と第2戦のヨルダン戦・シリア戦を1勝1分で乗り切った。ヨルダン戦は先制されながらもロスタイムに同点弾。シリア戦は1人退場になりながらも、2-1で競り勝った。

 

そして、第3戦は、敗退がきまってやる気のないサウジアラビアが相手だったとはいえ、5-0の圧勝。

 

去年のW杯について、日本の一部の評論家は「16強進出という結果は満足できるものだけど、戦いぶりが消極的すぎた。その証拠に、欧州のメディアは日本の戦いぶりを批難している。日本のサッカーの進む方向はこれでいいのだろうか」なんてことを言っていた。

 

もちろん、いいのです。まず、「欧州のメディアは日本の戦いぶりを批難している」というのは75%ぐらい嘘です。たしかに、初戦 (対カメルーン戦) の評価は非常に低かったのですが、第 2 戦 (対オランダ) は相手との力の差がありましたので守備的な戦い方自体は否定されていません。第 3 戦 (デンマーク戦) は大絶賛です。

 

さて、問題の対パラグアイ戦ですが、私の見る限り、日本が勝ち切れなかった原因としてこちらのメディアが指摘していたのは、リスクを負って点を取りにいくことができなかったということです。ちょっとわかりにくいかもしれませんけど、状況に合わせて守備的な戦い方をするのは構わないということです。一発勝負の前半は慎重になるのは当然のことなのです。しかし日本は、勝負をかけなければいけないところで、体力や気力が残っていなかったのか、勝負をどこでかければいいのかわからなかったのか、それとも勝負をかけなければいけないということ自体が分かってなかったのか、それは分かりませんが、とにかく最後まで勝負をかけませんでした。

 

15年ぐらい前までの日本代表は、とにかくどんな試合でも、相手がどうだろうが、自分たちの状態がどうだろうが、とにかくいつも100%出しきって戦うのが潔しとしているみたいでした。ちょうど今回の北朝鮮のようなチームです。そして欧州のメディアに「勇敢なアジアのチーム」などと健闘を称えられたのでした。

 

日本はもうそういうチームではありません。悪い時には悪い時なりに凌いでいくことができるようになりました。戦況を見て戦い方を変えることができるようになりました。次に日本代表が獲得しなければならないことは、勝機がどこにあるかを読み取り、計算したリスクを冒して勝ちを奪いにいくための戦況を見る力を養うこと、そして勝ちにいったときに実際に点をとれるようなスキルを蓄えることです。

 

だから、「日本サッカーの進む方向性」に疑問をさしはさんで、W杯の成功を無駄にする必要はないと思います。今回のW杯の成功を土台として、さらに発展させればよいだけの話です。つまり、状況に応じて「受け」はできるようになったんだから、次は「攻め」をどうすればいいかを考えればいいのです。

 

あと、もうひとつ指摘しておきたいのは、欧州のメディアはアジアのチームにそれほど興味があるわけではないということです。欧州の評論家でもW杯前のアジアの試合を見ている人はあまりいません。だから、日本がなぜカメルーン戦でああいう戦い方をしなければならなかったのかは分かってません。本田選手が急造の1トップになることも試合が始まるまでわかってなかったはずです(注1)。

 

2010年に入ってからW杯までの日本はガタガタで、直前になって中村選手を外し、ほぼぶっつけ本番で本田選手をフォワードにもってきました。カメルーン戦がああいう試合になったのは、そんな急造チームだから、本当に慎重な戦い方をしなければいけなかったのです。

 

だから、日本の一部の評論家の人たちは、そういう欧州メディアの尻馬にのって日本を叩くのではなく、日本の事情を説明して反論すればいいのになと私は思いました。

 

さて、アジアカップに話を戻しますが、ここからは決勝トーナメントということで厳しい戦いになってくると思います。日本代表が、W杯からの成長を見せてくれるのか、すなわち、勝ちにいかなければならいときにリスクを冒して勝ちにいくことができるのか、今回は駒も揃ってるし、たいへん楽しみです。




(注1) 試合直前のテレビのフォーメーション図でも本田はMFの位置にいましたし、あとブックメーカーでもファースト・ゴールスコアラーのベットでMF登録の本田はFW登録の大久保より倍率が高かったです。