たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

オ’グリムおばあちゃんの眠れる森の美女

アカデミー賞の候補が発表されましたけど、アイルランドの映画界からも 5 人がノミネートされました。

 

短編賞 (アニメ) には、ニッキー・フィーラン監督の「オ’グリムおばあちゃんの眠れる森の美女」(Granny O’Grimm’s Sleeping Beauty) がノミネートされました。この映画を製作したのはブラウン・バッグ・フィルムズ (Brown Bag Films) という会社なんですが、この会社製作の映画としては 2001 年に次いで 2 回目のノミネーションとなります。

 

イメージ 1

 

個人的なことで恐縮ですが、この会社、うちの近所のスーパーマーケットの上に事務所があるので、なんだかアカデミー賞のスミスフィールド代表という感じでうれしいです。

 

また、長編アニメ賞には、われらが宮崎駿監督の「ポニョ」などを差し置いて、トム・ムーア監督の「ケルズの秘密」(The Secret of Kells) がノミネーションを受けました。これは、ケルズの書の誕生にまつわるファンタジーものだそうです。

 

イメージ 2

 

それでですね、このムーア監督、それから「オグリムおばあちゃん」のプロデューサーでブラウン・バッグ社の創設者であるダラ・オコネルさん、そして「アヴァター」で視覚効果部門にノミネートされたリッチー・ベインハムさんは、同じ頃にバリファーモット成人向けカレッジ (Ballyfermot College of Further Educations) のアニメ・スクールってとこで一緒に学んだ仲なんだそうです。

 

バリファーモットっていうのはダブリン郊外の地区の名前で、カレッジはそこにあるわけですが、バリファーモットっていうのがまたハリウッドの対極にあるようなアングラマラスな場所なんです。

 

取引先の印刷会社があったので何回か行ったことがあるのですが、ひとことで言うと平べったい街です。一昔前に先端だったような業種の中小の工場とかあって、幹線道路沿いにはありとあらゆる自動車メーカーのショールームが立ち並び、住宅街はモダンでもなくビクトリア朝の建物というほどでもない中途半端な年代物です

 

しかし、このどよーんとした印象のダブリン郊外の街がアカデミーに続いてるわけですよ。ニューヨーク大学映画学科とかの名門に行ければそれに越したことはないでしょうけど、行かなくったって道は開ける。バリファーモットだってスミスフィールドだって。所沢だって丸亀だって。さあ、勇気を出して。

 

ほかにも、アイルランドからは短編賞 (実写) に「The Door」のジュアニータ・ウイルソン監督、音響賞に北アイルランド出身のピーター・デヴリンさん (「スター・トレック」) がノミネートされました。もちろん、英語を話す国だっていうことは有利な点ですけど、これだけの人数がアカデミー会員に評価されるのっていうのはアイルランドの映画界にとってもたいへん鼻高々なできごとだと思います。

 

イメージ 3