Invictus (2009, USA)
監督: クリント・イーストウッド
出演: モーガン・フリーマン、マット・デーモン
監督: クリント・イーストウッド
出演: モーガン・フリーマン、マット・デーモン
『インビクタス/負けざる者たち』という映画を見てきました。
1995 年、アパルトヘイト政策が終焉し、南アフリカでラグビーのワールドカップが開催されます。しかし、南アの黒人の間では、ラグビーは白人優越主義の象徴として忌み嫌われてました。前年に大統領に就任したばかりのネルソン・マンデラは、人種を超えて国をひとつにまとめるためにラグビーの可能性に賭けます。フランソワ・ピナール主将率いる南アフリカ代表チームは、その期待に応えて。。。
たぶん、ハリウッドで初めての本格的なラグビー映画ですよね。アメリカ人にラグビー映画撮らせて大丈夫なのかと心配でしたが、とてもおもしろかったです。モーガン・フリーマンはもうマンデラさんにしか見えませんでした。昨日、Precious っていうNYのハーレムを舞台にした映画を見て、英語がほとんど聞き取れなかったんだけど、マンデラさんの英語はほとんど聞き取れました。
しかし、クリント・イーストウッドはもう 80 歳が近いというのに少しも衰えませんね。70 歳を過ぎてからの多作ぶり、充実ぶりは超人的とすら思えます。
数年前のアカデミー賞受賞式で、たぶんミリオンダラー・ベイビーのときだったかな、イーストウッド監督もノミネートされてたんだけど、司会のビリー・クリスタルがミュージカル仕立てのオープニング・ショーでイーストウッドさんをイジるんですわ。「棺桶に片足つっこんでるのに、ものすごい活躍だ」みたいな感じで。うわー、きっついイジり方やなー、と思ったんですけど、イーストウッドさんはへらへら笑っていました。
これだけの大御所になると、崇め奉った方が周りの人も楽だと思うんですけど、そこをあえてイジってあげる。そうしたら、とっつきやすい人だっていう印象になって、大御所も孤独にならずにすむ。偉すぎて孤独になりがちな人を、みんなのいる場所に包摂しようとするための試みなんですね。ある意味で。さすがに、ほんとうに死にかけてる人にはこんなイジり方したらいけないと思いますが。
話は飛びますけど、日本のサッカー代表チームにもビリー・クリスタルさんみたいな人がいたらいいのにと思います。この前のドイツ大会のときは、実力的にも実績の上でも抜けていた中田選手がどんどん孤独になっていって、チームはまとまりを欠いたまま一次グループの段階で敗退しました。あそこで、中田選手をイジってあげて、仲間に入るように働き掛けられる人がいたらよかったのにと思います。今回は、メディアに必要以上に持ち上げられている中村選手のことが心配です。
この間の高校サッカー全国選手権でも、ある新聞が有力校のある選手を「孤高のMF」って褒めそやしてましたけど、チームスポーツの選手を褒めるのに「孤高」はないんじゃないか。そういう言葉は、山にこもってロクロ回してる陶芸家を称えるときとかに使った方がいいんじゃないか。
と思ってたら、スペインのテレビ局が中村選手をイジってくれました。エスパニョールで出場機会に恵まれなくて、ホームシックにかかってるという設定らしいです。馬鹿にされてるようにも見えますけど、こういうの見ると逆に中村選手がもっと親しみやすい人に感じられませんか?
スペインでもドラえもん、やってるんだなー。
10/02/18 追記: 『インビクタス』についてもうちょっと書きました→ http://blogs.yahoo.co.jp/tarascoffeeshop/24312130.html