たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイルランド語で書いたので帰化申請を突っ返されたご夫婦

 

 

f:id:tarafuku10:20210417230245j:plain

 

UCD でアイリッシュケルティック研究・民俗学の准教授を務める中国人の Fangzhe Qiu さんとその奥さんの Lijing Peng さんがアイルランド帰化しようと思って、申請書にアイルランド語で記入して提出したら、法務省に英語で書いてくれといわれて申請書を突っ返された話。

 

www.irishtimes.com

 

Qiu さんは 2002 年からアイルランドで暮らしており、研究が研究だけにアイルランド語は堪能。Peng さんも言語人類学をトリニティで教えています。

 

 

3 年前に、Peng さんの労働許可証を申請したときに、アイルランド語で書いたところ、たった1週間で許可が下りたそうです。これは異例の速さなのでしょう。アイルランド語で申請書を書くことが処理のスピードアップにつながるとご夫妻が思ったのも無理はありません。

 

 

Qiu さんは、この件については、お役所とのやり取りをすべてアイルランド語で行っているそうです。ご家族のアイルランド語への愛は深く、Qiu さんが古アイルランド語の研究家であるだけでなく、お2人のお子さんも6年間ゲール語学校 (アイルランド語ですべての教科を教える学校) に通ったそうです。

 

 

ご夫婦が帰化申請をしたのは昨年の9月のこと。12月になって、パスポートが送り返されてきて、3月1日になって、アイルランド語版の申請フォームが最新ではないので、最新の英語版フォームを使用して再申請しなければならないことがわかったそうです。

 

 

ご夫婦は法務省、地元の国会議員、アイルランド語コミッショナー (大統領に任命された、アイルランド語のもろもろを司る一番偉い人) に連絡しました。3月9日、法務省からミスについて謝罪し、アイルランド語で申請できることを確認するメールが届きました。メールはアイルランド語で書かれていたそうです。

 

 

再申請の手順が書かれていなかったので、再度問い合わせたところ、アイルランド語版申請書のアップデート版を作成中であり、できあがるのは4月末まで待たなければいけないとのこと。

 

 

アイルランド語コミッショナーのローナン・オドナルさんは、「公共サービスは英語と同じ水準でアイルランド語でも提供されなければならず、アイルランド語が第一公用語であることを忘れてはならない」としています。

 

 

ご夫婦が連絡した国会議員であるシンフェイン党のアンガス・オシノディさんは、「不名誉なことこの上ない。政府や官僚の一部がアイルランド語を軽蔑している証拠だ」と強い言葉に非難しています。

 

 

ヘレン・マッケンティー法相は、誤りがあったことを認めた上で、事態は解決されたと答えています。

 

 

アイルランド語が第一公用語であるということを法務省が忘れちゃうようではいけませんね。

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ