プロパー・ナンバー・トゥエルヴ (Proper No. Twelve) というアイリッシュ・ウイスキーをご存じでしょうか? MMA ファイターのコナー・マクレガーが中心となって 2018 年9月にリリースしたブランドです。
新しいウイスキーとはいえ、マクレガーが積極的にプロモーションに参加した結果、2019にははやくも世界で 4 番目に売れているアイリッシュ・ウイスキーのブランドになりました。すなわち、上にいるのはジェムソン、タラモア・デュー、ブッシュミルズだけ。パディー、キルベガン、パワーズ、ティーリングなどをラクラク追い抜いたというわけです。
現在のところ、このブランドを所有するのはエーラ・ボーン(Eire Born) という会社。この会社を設立したのがマクレガー、マクレガーのマネジメント会社の社長であるオーディー・アター、そして蒸留酒業界のエキスパートであるケン・オースティンという人。ここに、テキーラのNo 1ブランドであるホセ・クエルボのオーナー企業である Becle 社も出資していました。Becle 社は昨年、オプションを行使して、エーラ・ボーン社の所有株式を 49%にまで増やしました。
2021年3月29日の新聞記事によりますと、Becle社はエーラ・ボーンの残りの株式も取得するために、1億5000万ドルの資金調達を完了したそうです。
Becle社は2014年にブッシュミルズ・ウイスキーを Diageo から購入しています。プロパー・トゥエルヴもブッシュミルズ蒸留所で製造されています。
記事の書き方だと、監督機関の許可さえ下りれば、買収は実現するみたいですね (マクレガー側が買収に反対しているという記述はありません)。実現すれば、マクレガーは多額のキャッシュを手に入れることになりそうです。どのくらいの金額かは書いてありませんが、3年間できっちりイグジットしてくるのはさすがというところでしょうか。
買収が完了した後、マクレガーはこのブランドとすっぱり手を切るのか、それとも何らかの役割を果たすのかはわかっていないそうです。
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