「高リスク」の国からアイルランドに入国する場合、またはアイルランド入国前の14日以内に「高リスク」の国に滞在した場合は、指定のホテルに強制的に隔離されることになります。今週の金曜日から。
指定のホテルは、ダブリン空港の近くにあるクラウン・プラザ・ダブリン・エアポート・ホテルです。パッケージ料金は3食付きで1875ユーロ。アイルランドに来る前に前払いする必要があります。家族が一緒の場合は、大人1人につき追加料金が625ユーロ、4~12歳の子どもが360ユーロ。3歳以下は無料です。
「高リスク」の国以外からの入国者も、事前にPCRテストを受けていない場合は、1日に150ユーロの宿泊料金を支払う必要があります
ホテル内の屋外スペースで運動することはできますが、事前に予約する必要あり。クラウン・プラザ・ホテルは強制隔離の旅行者専用のホテルとなります。
さて、「高リスク」の国とはどこか、ですが、南米の全ての国、アフリカのほとんどの国、そしてオーストリアとUAEだそうです。難民申請のためにアイルランドに入国する人は強制隔離の料金を支払う必要はありませんが、政府が指定する適切な施設で隔離期間をすごす必要があります。
スティーブン・ドネリー厚生大臣によりますと、強制隔離の第一の目的は、こうした国からの入国者を減らすことです。UKの例を見てみますと、強制隔離措置を取ることによって、指定された国からの入国者は80%減少したそうです。
1つ問題になっているのは、ホテル内でなんらかの治安上の問題が発生したときにどう対応するのか。もし、警察が呼ばれて行って、その警官がまた署に戻ってきたり、家に帰ったりすれば、警官がウイルスのスーパースプレッダーとなる可能性があります。警察官の組合のスポークスパーソンによれば、これに関する「業務上の指示」をまだ受け取っていないのだそうです。
また、左派政党ピープル・ビフォア・プロフィットのポール・マーフィー議員は、強制隔離される旅行者は、アイルランドに入国する旅行者の10%に過ぎない。政府が一生懸命やっているという印象を作り出すための芝居にすぎない、と主張しています。
労働党のアラン・ケリー党首も、強制隔離を避けるための抜け道はいくらでもあるので、ウイルス拡散防止に大きなインパクトは与えられないだろう、としています。