ダブリンのドリーマウント・ストランドなどに、不思議な球体がたくさん打ち寄せられているというお話。
打ち寄せられている物体は直径約25mmの青い球体。ゴムのような材質です。
写真で見るとずいぶん大きく見えますけれどもね。どうやら、水冷システムの洗浄に使うタプローグ・ボール (Taprogge Ball)ではないかと言われていますが、どこから来たものかは不明。
タプローグ・ボールっていうのは、タブローグ兄弟が設立したタプローグ社というドイツの会社の製品だそうです。電力会社や重工業の工場の冷却システムの洗浄に使うようです。
10年ほど前に、UKの浜辺でたくさん見つかったことがあるそうですが、これはハートルプールにある原子力発電所から流れ出たものだったとか。水冷システムで使われていただけですから、放射能汚染とかの心配はありません。
ダブリン北部に住むブライアン・ボルジャーさんは、ドリーマウントをよく散歩していて、途中でゴミ拾いなんかもするそうです。以前からこの青いボールを拾っていたのですが、最近のその数が多いので、環境保護庁に連絡したそうです。
最初は青いボールばかりでしたが、最近はオレンジのボールもあるそうです。近くにゴルフ場があるので、ゴルフ・ボールの芯の部分なのかなと思っていたそうです。
地元の緑の党の市会議員であるドナ・クーニー氏によれば、市役所の方でも過去何年かこの物体が流れ着いていることを認識しており、害がないことは確認しているとか。ただ、どこから流出したものなのは判明していません。
コーストウォッチ・ヨーロッパというボランティア団体のカリン・ダブスキー氏も、同様の物体が過去にもダブリンで発見されていると述べています。「工業製品と思われるものが流れてきた場合、過去にもあったから今回も同じ、と結論付けることはできません。自治体や環境保護庁はガイガー・カウンターを持っていますから、検査してみた方がいいでしょう」
環境の点でいいますと、ドリーマウント・ストランドにはブル・アイランドという島があるのですが、ここは国の自然保護区に指定されています。野鳥を見る会のウナ・ダガン氏によれば、ブル・アイランドはこの国で最も保護された区域であり、渡り鳥のいくつかの種にとっては非常に重要な渡来地なのだそうです。