先週、アイリッシュ・タイムズを見ていたら、最近出版された翻訳小説を紹介する記事が出ていました。
その中に Izumi Suzuki という小説家の名前が出ていて、聞いたことがあるような気がするけどピンと来なかったので調べてみたら、鈴木いづみさんのことだった。
私も正直よく知らないのですが、フリージャズのサックス奏者の阿部薫氏と結婚していた時期があって、その頃の様子が『エンドレス・ワルツ』という映画になったときに話題になったのを覚えている。90年代半ばのこと。監督が若松孝二で主演が町田康。
鈴木いづみは 1949 年生まれ。高校卒業後に市役所に勤務していたのだが、退職して上京。ヌードモデルなどをしながら小説を書いて、『声のない日々』で文学界新人賞候補に。以後、作家として活動。阿部との離婚後に阿部がクスリのオーバードーズで死亡。鈴木も35歳で自死した。
英語で出版される本のタイトルは『Terminal Boredom』。鈴木の日本語の本のタイトルで『ぜったい退屈』というのがあるので、これの翻訳なのかな。だとするとSF短編集ですね。
それから、今日のアイリッシュ・タイムズ紙には、詩集をいくつか紹介する記事が載っていて、その中に小倉百人一首の英訳本が含まれていた。
記事には壬生忠見 (みぶのただみ) の短歌の英訳が引用されていた。
They say I am in love
but I have only just
begun to feel it for myself –
and so , I’d really prefer
if no one else knew!
原文:
恋すてふ
わが名はまだき
立ちにけり
人知れずこそ
思ひ初めしか