今回もアイリッシュ・タイムズに掲載された記事を翻訳してご紹介します。2020年6月2日(火)に掲載された「ウイスキー: 新しいレッドブレスト・ドリーム・エディション」という記事です。
アイリッシュ・ディスティラーズ社が「レッドブレスト」のブランドのもとに毎年発売している「レッドブレスト・ドリーム・カスク」。今年で3回目のエディションです。今回は、ポート樽の使用にこだわったブレンドのようです。500ml入りのボトルの値段は490ユーロ(6万円~6万5000円)。オンラインの会員クラブのみでの限定発売です。
(翻訳ここから)
ウイスキー: 新しいレッドブレスト・ドリーム・エディション
文: ジョン・ウィルソン
2020年6月2日
どうやら、アイルランドにいる私たちは、高価なウイスキーに目がないようだ。今年の2月、史上最も高額のアイリッシュ・ウイスキーについて私は記事を書いた。その名も「ミドルトン・ヴェリー・レア・サイレント・ディスティラリー・コレクション・チャプター・ワン」。1本あたりの価格は35,000ユーロである。
今週リリースされるウイスキーはこれよりも控えめな価格設定である。先週の火曜日はワールド・ウイスキー・デイだった。これを記念して、アイリッシュ・ディスティラーズ社は、年に一度発売される「レッドブレスト・ドリーム・カスク」のサード・エディションを市場に出した。500ml入りのボトルの値段は490ユーロ。手に入れる権利が得られればの話であるが。過去のエディションを幸運にも購入し、その後、他の愛好家に譲った人は、かなりの利益を得ることができた。
「ドリーム・カスク」は、レッドブレストのオンライン・プライベート会員クラブである「ザ・バードハウス」でのみ購入を申し込める。参加するには、redbreastwhiskey.com にアクセスして、登録する必要がある。申し込みの受け付けは、6月2日(火曜日)の午後2時59分から。申し込みが承認された参加者は、500ml のボトルを490ユーロで購入できる。
今回の「ドリーム・カスク」に含まれるウイスキーは、最も若いものでも28年の熟成期間を経ている。レッドブレスト・ブランドとしては初めて、すべての原酒の仕上げにルビー・ポート・カスクが使用されている。原酒の一部は、最初から最後までポート樽で熟成されている。オロロソ樽で熟成された原酒も含まれる。4種類の原酒はすべてポート樽で仕上げられた後、ブレンドされて、「ドリーム・カスク・ポート・エディション」ができあがった。
幸運なことに、このウイスキーの(非常に小さな)ボトルをテイスティングのために私は頂くことができた。ノーズ(香り)は力強く、さまざまなスパイス、そして柔らかで甘いプラムが充満し、ほのかに焼けた木の香りも漂う。パレート(味)は、豊穣でスムース。ダーク・フルーツとドライ・フルーツ、そしてエキゾティックなスパイスが味蕾を刺激し、さわやかなシトラスもそこはかとなく感じられる。ウイスキーを少しだけ残したグラスを何時間か置いておいたのだが、アロマは馥郁さを増すばかりだった。仲の良い友人とともに、ゆっくりと味わいたい一品だ。コレクターに譲るのもいいだろう。
(記事ここまで)