たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

エールの交換

ソフトボールのチームを作って遊んでいるのですが、一応リーグみたいのがあってそこに参加しています。それで、試合の後にはエールの交換があるのですね。やり方は、それぞれのチームが一塁なり三塁なりベースを囲んで円陣を組み、

Captain: Three cheers to ○○ (相手のチームの名前)
Hip, Hip!
全員: Yeah!
Captain: Hip, Hip!
全員: Yeah!
Captain: Hip, Hip!
全員: Yeah!
Captain: And the Blue? (審判のこと、濃紺の服を着てるので)
全員: Booooo (審判へのブーイングはお約束)
Captain: And to us?
全員: (ひときわ大きな声で) Yeah!!!

とやるのです。

試合っていうのは礼に始まり礼に終わるといいますけど、これは日本だけのことではないと思うのですね。エールやシャツを交換したり、礼をしたり、握手をしたり、いかに鈍くさいアマチュアレベルとはいえ、スポーツ好きな人としてはこれはちゃんとやりたいわけです。

もちろん一義的には対戦相手への敬意を表すということなんですが、もうひとつは自分たちの心の持ち方を試合用から普段の市民用のものにリセットするということだと思うんです。試合中は一般市民社会のルールではなくて試合のルールで動いてるわけです。Brian O'Driscollさんは対面の選手に凄いタックルしますが、これは試合だから許されてるわけで、昼下がりのO'Connell通りでこんなことやったら怒られます。これは目に見える部分ですが、彼らは気持の持ち方だって試合用にギアチェンジしてるはずなんですね。

もちろん私らはO'Driscollさんほどのレベルで戦っているわけではありませんが、それでも普段とは違うマインドセットで試合に臨みます。スポーツをやらない人は、RPG をやってて、自分が操るキャラが安全な町を出て魑魅魍魎が跋扈する荒野に旅立つときの気持ちを想像してください。

だから、試合終了後のエール交換などは、自分たちがこちらの世界に戻ってくるために必要な儀式であるとも言えます。だから、ちゃんとやってくれないと、Civil な世界に戻ってこれなくて困るのです。また、ちゃんとやってくれない人は、たぶんこの人は私たちと一緒に魔界に旅に出ていたのではなくて、たぶん境界線のこっち側に留まったままで安全な場所から見てたんだろうなーとがっかりしてしまうのです。