たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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アンダートーンズ

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アンダートーンズ (The Undertones) は、北アイルランド、デリー出身のポップ/パンクバンドです。デビューしたのが 1979 年ですから、ピストルズあたりのパンクバンドのちょっと後のデビューになります。私はパンクバンドが好きで、ピストルズやクラッシュなんかも聴きましたし、ダムドは特によく聞きました。ただ厳密に言うとリアルタイムではないです。イギリスのパンク全盛期に私はちょうど高校生だったんですが、当時は日本語の曲しか興味なく、いわゆる洋楽を聴きだしたのは高校を卒業してからなのです。

 

アンダートーンズは名前だけは知ってましたけれど、音を聴こうという気には当時はなりませんでした。写真を見ていただければわかると思うんですけど、ほんとに糞ガキですらない普通のお兄ちゃんですから。文化祭で演奏する高校生バンドのような風貌です。やっぱり音だけじゃなくてミュージシャンの恰好というかファッションも音楽を聴くときの重要な要素になっていました。

 

アンダートーンズの名前を久しぶりに聞いたのは5年くらい前のことです。当時、私は北アイルランド出身のフラットメイトと一緒に住んでいました。で、ある日、彼女がアンダートーンズのコンサートに行ってきたっていうんです。えー、あのアンダートーンズ? て聞くと、そうそう、あのアンダートーンズだって。再結成してコンサートやってたんですね。

 

それでちょっと懐かしくなったのと、アイルランドのバンドは一応みんな聞いておこうという気持ちもあったので、レコード屋さんで DVD を買ってきたのです。バンドの歴史を振り返るみたいなちょっとドキュメンタリーっぽい作りになっていました。

The Undertones - Teenage Kicks

 

それで、音を聞いたらとてもかっこいいんです。今、聴いてもでもかっこいい。音自体はとてもシンプルなロックで歌詞の内容も性衝動とかたわいのないものが多いです。だけどかっこいい。同じ北アイルランド出身で歌詞がとても政治的だったStiff Little Fingersの曲が今ではちょっと陳腐に聞こえるのとは対照的です。その DVD のインタビューによると、デリーは北アイルランド紛争の中心地ということで、逆に政治的なことを歌わないことがある意味、勇気の要ることだったと。なるほど。でもそのおかげで彼らの曲は普遍性を獲得したのかもしれません。

 

再結成したバンドにはボーカルのファーガル・シャーキーさんだけが不参加です。この人だけ他のメンバーと育った環境が違うようで (インタビューでははっきりとは語られていませんが、他のメンバーに比べればちょっとだけ金銭的に余裕があったような印象)、そのせいもあるのか、もともとそういう人なのか、とても居心地悪そうに歌を歌うのです。近所のスーパーで買ったようなどうでもいい柄のセーター着て。そのあたりも魅力です。余談ですが、1990年前後にシャーキーさんという苗字の人が日本でアイルランド大使をやっておられましたが、この人のいとこです。

 

私にとってアイルランドで一番好きなバンドといえば、このアンダートーンズかポーグスになります。そして、その次がフランク&ウォルターズというコーク出身のバンドです。

 

 

U2 はですねー、ちょっと出会いが悪かったみたいなんです。セカンドアルバムの「October」を私はリリース当時に買ったのでしたが、今一つピンときませんでした。それ以来、U2にはあまり熱心になれないのです。アイルランド人の音楽に詳しい人に聞いたら、「あー、あれはたぶん U2 のアルバムで一番出来の悪いやつだからねー」と言っていました。だからか。