金曜から1泊でコークに行ってきました。フランク・アンド・ウォルターズ (以下F&W) のライブを見るためです。彼らのライブはダブリンでは何回か行ったことがあるのですが、今回はF&Wの出身地であるコークで彼らの演奏を聴くという趣向です。
F&Wは私は日本にいるときから大好きで、ファースト・アルバムの「Trains, Boats and Plames」は名盤だと思っています。アイルランドのバンドで好きなバンドを3つあげろといわれたら、私はポーグスとアンダートーンズとF&Wをあげますね。ポーグスはシェーン・マガーンが死んでしまったし、アンダートーンズは今も活動してますがヴォーカルのファーガル・シャーキーが辞めてしまっているわけで、それに比べると F&W の現役感は強いです。Vo&Bのポール・レニハンとDrのアシュリー・キーティングはオリジナル・メンバー。デビュー当時はスリー・ピースでしたが、今はギターとキーボードを加えた4人編成。アルバムも間隔をあけながらもコンスタントに出しています。
会場は街の中心にあるサイプラス・アベニューというライブハウス。キャパは500人くらいでほぼすべて立ち見。私はコークでコンサートを見るのは初めてです。少し遅れて会場に入ったら既に前座の演奏が始まっていました。女性がヴォーカルのクランベリーズっぽいバンド。バンド名は聞き逃しました。アルコールが入ると眠くなるので私はノン・アルコールのハイネケンを頼みました。
そしていよいよF&Wの登場。いつものようにお揃いのオレンジのシャツを着ています。最初の曲はセカンド・アルバムから『Tony Cochrane』。次の曲は最新アルバム (といっても2016年のリリースですが) から『Stages』。この曲は同じくコーク出身のキリアン・マーフィーの語りが入っているんですよね。
S&Wはデビューが1992年ですからお客さんも私を含めて結構いい歳いってます。でも若い人もちらほらいました。2018年から『The Young Offenders』っていうコークを舞台にした不良少年が主人公のコメディ・ドラマがRTEで放映されているんですけど、その中でF&Wの『After All』という曲がテーマ・ソングのように使われました。もしかしたらそれが若い人たちがF&Wを再発見するきっかけになったのかもしれません。『After All』は今ではコークのアンセムのような扱いになっています。また、F&Wは30年を超えるキャリアを通じてコークの文化や芸術に大きな影響を与えたとして2023年の「Cork Persons of the Year」にも選ばれています。
演奏した曲は最新アルバムから4曲、ファーストとセカンドから3曲ずつなどです。やはりよく知られているのはファーストなので、このアルバムからの3曲はステージの終盤に持ってきて盛り上げていました。MCはヴォーカルのレニハンとドラムのキーティングのゆるーい掛け合い漫才です。もちろん2人とも歌うようなコーク弁です。
すべての演奏が終了したあと、キーボードの人がセットリストを書いた紙を前の方にいた人にあげてたんですね。それで私は写真を撮らせてもらおうと思ってもらった人に声をかけたらもらっちゃいました。これは外国人プレミアムで親切にしてもらったかなと思います。そのセットリストがこちら。
『This is Not a Song』がアンコール前の最後の曲ですが、アンコールではここに書かれていないけど『The Clock』という曲を一発目にやったと思います。
レニハンさんがMCでマーチャンダイズを買え買えというのでTシャツとバッジを買っちゃいました。
翌日、コークからの帰りにウェックスフォード県のニュー・ロスという町に寄ったんですが、ここは今秋話題になったキリアン・マーフィー主演の『Small Things like These』(ほんのささやかなこと) の舞台となった町。その映画の壁画がさっそくできていました。